あらすじ
「物質である脳から、なぜ非物質的な意識が生まれるのか?」
名だたる学者が挑んできたこの難問に、プリンストン大学で神経科学ラボを率いる著者が、まったく新しい「答え」を提示する。ときに哲学や文学の文脈で語られる意識の謎にメカニカルな視点から迫った本書は、意識の進化的起源から私たちの心の仕組み、さらには人工意識をつくる試みまで、意識研究の最前線を描き切る。
ユニークな工学的アプローチで脳が心を生むメカニズムに迫った、神経科学の第一人者による衝撃の論考。
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Posted by ブクログ
攻殻機動隊のゴーストダビングが現実味を帯びてくるんじゃないか!?という本。
生物の意識を
センサー→強化抑制→取捨選択→クオリア
の順で説明していきます。
ゴーストのアップロードに必要な
コネクトームプロジェクトの説明と進捗
人での現状
もわかります。
結論から言うと、脳細胞&シナプスの量が莫大なので、まだまだですが、
この先が怖いような楽しみなような、、。
Posted by ブクログ
物質に過ぎない脳からどうやって主観的な体験である意識が生まれるのかというハードプロブレムをそのまま解くのではなく、なぜ人はそもそもハードプロブレムがあると思ってしまうのかを説明するアプローチを取る。
ハードプロブレムは存在しないと主張するダニエル・デネットと同じ立場だ。
我々は外界の情報をすべて平等に扱うのではなく、その重要度に応じて優先づけを行なっている。そのプロセスは注意と呼ばれる。注意は制御を要する。制御を行うためには、注意を描写する内的モデルが必要になる。それを注意スキーマと呼ぶ。
注意スキーマは、物理的なプロセスをそのまま描写するのではなく、ある種の単純化されたリアルな非物質的特質を記述する。それが、人に意識が存在すると主張することを可能にする。
一回読んだだけでは、わかったようなわからないような感覚なので、多分わかっていない。注意スキーマの文献を読んで理解を深めたい。
Posted by ブクログ
原題
Rethinking Consciousness : A Scientific Theory of Subjective Experience
(意識再考 主観的体験の一科学理論)
原著2019
プリンストン大 神経科学・心理学教授
■7章 さまざまな意識理論と注意スキーマ理論
○意識の錯覚説
142
中心にあるアイデアは、わたしたちが実際には意識など持っていないというもの。主観的な特質である意識体験そのものがない。その代わり、私たちが自分に意識があると「思う」のは、脳が生み出す錯覚なのだという。
注意スキーマ理論も、ある種の錯覚説になる。
この理論では、意識の得体の知れない特性、そのつかみどころのない形而上学的な性質は、現実には存在しない。自分にこうした特性があると思ってしまうのは、私たちの不完全な内的モデルがそのように教えるからである。
○注意と意識
160
(世間一般の理解と異なり)
注意は、層をなした一連のメカニズム、つまりデータ処理の方法
→これに対して、意識は自分が有していると思う内的体験
注意とは脳がするなにかであり、意識とは脳が有していると主張するなにかである