あらすじ
潮風香る港町、横浜の路地裏の石畳に佇むダークブラウンの小さな店、雨宮骨董店。
明るく才能豊かな若きディーラー・雨宮陽人(あまみや はると)が、弟の海星(かいせい)と共に経営する店だ。
しかしこの兄弟、生活能力に欠ける所があり、陽人の友人で刑事の本木匡士(ほんもく きょうじ)が面倒を見ている。
ある日、匡士が店を訪れると、陽人が女子高校生二人組に依頼され、カメオの鑑定の真っ最中だった。
陽人が買い取りを拒否し、二人は立ち去るが、直後、付近で高価なカメオの盗難事件が発生し……!?
(――第一話 女神のカメオ)
ある晴れた日、アンティーク・オークションに出掛けた陽人。
しかし、ギリシャで仕入れた取って置きの品を披露すると息巻いていた知り合いのディーラーが姿を現さない。
不審に思っていると、匡士から電話が入った。なんとそのディーラーが二日前から行方不明になっていると聞き――。
(――第二話 シルバーボックス)
「雨宮骨董店の名に於いて、謎を鑑定致します」
訳アリ兄弟が、心を解き、縁を結ぶ、心ときめくアンティーク・ミステリ!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
人当たりがやわらかく軽やかな兄が、弟に関しては激重で適正な距離感わからなくなってるの、良い。
外面を固めすぎて好きなものを好きというのが困難になってる上司が可愛い。警察組ももっと見たい。
名前が……
名前の読みが、難しい。本木、ほんもく?もときじゃ駄目なの?陽人、海星、匡士、日外?どれもが、一筋縄では、いかない……話が、余計に難解になる。
Posted by ブクログ
一言で言えば、自分と世界観が合わないということだろう。
プロットはおもしろい、登場人物もそれぞれ好ましいし興味も持てる…なのに物語に入っていけなかった。
妖精が見える弟の行く末には関心があるし、この先を追っていきたいけど…
星3か星4か迷い…
一番最初の話は淡々と進み、へーという感じで面白いと感じませんでした。
雨宮兄弟主体で話が進むようになると、兄弟間の複雑な感情が書かれ始めて、少しずつ面白くなってきました。
続刊があれば買うかもしれませんが…。悩み中です。
Posted by ブクログ
両親は海外に骨董品を探しに行っていて
留守を兄弟で守っているという設定。
メインで店舗に出て、出張に行くのも兄の陽人。
弟の海星は、体が極端に弱いので基本は家の中。
その面倒を見る羽目になっているのが刑事の匡士。
都合よく、いい関係です(^◇^;)
これはシリーズになりそうな感じですね。
「女神のカメオ」「シルバーボックス」
「ビスクドール」「チェスト・オン・スタンド」
Posted by ブクログ
この作者さんの紡ぎ出す言葉が好きだ。幕間の冒頭、
「未明から降り始めた秋雨は絶え間なく、海の底にいるようだ。」
という部分を読んで、芥川龍之介の『羅生門』の「夜の底」という表現を思い出した。「底」からイメージされる閉塞感、不気味なそれでいて現実離れした浮遊感。
物語は、『薬屋奇譚』シリーズやら『うちの執事』シリーズやらに似た感じ?私の好きな『異端審問ラボ-魔女の事件簿』とは微妙に違うが、まぁこれも、高里椎奈の作風ではある。
蘊蓄も盛り沢山で、読んでいて楽しかった。特に、建築物。「モールディング」や「プロセニアム」はつい調べてしまった。次巻出たら買う。