あらすじ
児童書初登場の科学者にスポットライトをあてた伝記シリーズ。ビキニ環礁の水爆実験で降った「死の灰」をはじめ、大気と海の放射能汚染などを研究し、優れた女性科学者に贈られる「猿橋賞」の創始者である猿橋勝子の研究と生涯にせまります。
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Posted by ブクログ
少し前に伊与原新さんの『翠雨の人』を読んで、初めて知った猿橋勝子さん。調べたら伝記があったので読んでみました。
猿橋勝子さんは、1920年(大正9年)東京に生まれ、女性が理系の教育を受ける機会に恵まれない時代に科学の道を志し、戦後、アメリカのビキニ水爆実験で降った「死の灰」による放射能汚染の測定にたずさわり、核実験の抑止に影響を与える研究成果をあげました。
『翠雨の人』ではあまり語られなかった猿橋さんの晩年は、「女性科学者に明るい未来をの会」を設立したり、自然科学の分野で優れた女性科学者に贈られる「猿橋賞」を創設するなど、日本の若い女性科学者たちを支援することに尽力されていたようです。
ちなみに猿橋さんは今から18年前、2007年(平成19年)に87歳で亡くなりました。私の母方の祖母とおそらく同い歳だったようです。
科学的な内容も多少ありましたが、図解されていたりしてとてもわかりやすかったです。もちろん子ども向けの本ではありますが、大人が読んでも結構満足できる内容だったと思います。このシリーズは他に以下の3冊が出ているようなので、いつかそちらも読んでみたいです。
『牧野富太郎 日本植物学の父』
『中谷宇吉郎 雪と氷の探求者』
『池田菊苗 うま味の素「グルタミン酸」発見』