あらすじ
普通の人ができることがうまくできない――はたから見ればポンコツのアラサー男子・紙屋がなんとか内定をもらったのは老舗の製粉会社だった。案の定、配属された総務部では仕事のできなさに何もしないでくれと言われる始末。しかし紙屋は唯一の特技「文章を書くこと」で社内で起こる小さな事件を解決していく。すこしずつ自分の居場所を見つけていく一方で、会社は転換期を迎え……。
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Posted by ブクログ
普通の仕事はまったくできないが唯一得意な「書くこと」「読むこと」で次第に会社で自分のやるべきこと、居場所を見つけていく紙屋くん。
一方、仕事はできるのに会社の旧態依然とした社風や古参社員への不満をブログであげつらっては閲覧数を稼ぐことで承認欲求を満たす榮倉さんとの対比が面白い。
ともに同じ「会社を綴る人」でありながら方向性がちがうのだ。特に榮倉さんは紙屋くんのことをなかなか認めることができない。自分がやりたくてもできなかったこと=文章の力で会社の人を動かすことを、見下していたはずの紙屋くんがやっているからだ。
終盤、榮倉さんは紙屋くんへの嫉妬心に気づく。そして彼を認め、これまでの自分を後悔する。だが時すでに遅く、二人を含めた状況は予想外の方向へと大きく変化していく。
お仕事小説に欠かせない、主人公の成長と周囲との関係性の変化。そして会社の栄枯盛衰の悲哀。
読んでいて楽しく、それでいて物語の締め方にすごく納得がいった。安易なハッピーエンドに収まらない、この終わり方でなければここまで心に残る作品にならなかっただろうと思った。
Posted by ブクログ
ドジで失敗ばかりしている男が文章だけは好きで、という設定の小説。うまく潜り込んだ製粉会社で、いい文章を書いたりしてほんわかという感じのお話かと思っていたら、途中から展開していっていいお話。たんなる出来リーマンだと思っていた兄とその嫁がいい人だったりして、ジーンとも来た。最後に社史編纂にまつわる謎解きっぽいのがあったが、これって蛇足じゃないかと思った。
Posted by ブクログ
只のエンタメ小説として楽しもうと思っていましたが、営業として意外と参考になることがありました。
プレゼン資料は話す人に合わせて作ってあげる必要がある。話し慣れている人と慣れていない人では、資料も変えたほうが良い。私は話し下手な方なので、プレゼン資料は読み上げるだけで成り立つものにしたほうが良いのだなと感じました。