あらすじ
地表のおよそ70パーセントを覆う海。そこには人間がまだ知らない世界が存在している――。
人魚の世界での大罪を犯し、人間に恋をしてしまったジョーの親友・リュウ。囚われの身となった彼女を救い出そうと、ジョーはひとり密かに計画を立てる。それは親友の想い人・雪に会うため、人になる薬を飲み陸へ向かうという、無謀すぎる計画だった。海そして2巻からは陸も舞台となり、人魚と人間たちの思惑が交錯していく……!
『ストラヴァガンツァ -異彩の姫-』の作者・冨明仁が贈る“21世紀版『人魚姫』”。海と陸、人魚と人間――壮大な「境界の物語」が、いま、鮮やかに拡がっていく。
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人間界編?
今回、キーとなりそうなキャラクターが出てきました。男性の人魚、マヤとハルジオン。なかなか曲者感が強いです。
1巻、人間の雪と出会っていたため投獄された人魚のリュウ。彼女の願いを叶えるため、主人公のジョーは雪に会いに行こうと画策します。
人魚から人間へ変わる薬を誤って飲んでしまい、追われながらも幸運にも雪に遭遇できたジョー。追手を振り切り、雪の家にてリュウを救うための作戦会議をします。
人間の体に慣れようとしていたところ、マヤ(人間の姿をしていましたがこの男も薬で人間化している)に捕まってしまい、マヤから人魚へ戻る薬を奪って逃走、雪も人魚化し、ふたたびリュウは海へ……
すると人魚たちの警備隊とともに、リュウ、そして大臣の地位につくハルジオンが登場。ハルジオンは『人魚島』という計画を持ち出し、人魚が住める島を手に入れることで、人間と人魚の共存を目指している、と。
そこに、恋に落ちたリュウと雪に関わってほしいと持ち出し、雪は承諾。リュウと雪が去っていくのを、複雑な思いで泣きながら見送るジョーでした。
読みながら、心配事がいくつかあります。上記に書いたようにマヤ。彼はかなりジョーに執着をしており、ジョーの体を遠慮なく触ったり付きまとったりしています。人魚の価値観を人間に当てはめて良いものか考えますが、やはり見ていてハラハラさせられます。
そしてハルジオン。キャラクターデザインはどのキャラより目立ちます。アラブのような雰囲気に食えない感じが怪しいです。
今回人魚になった雪ですが、彼はどうやらリュウへの思いは新種の生物を発見したときの高揚感に似ているような気がして、人対人の恋では無いように感じられます。そこに、行動をともにして助け合ったジョーとの仲が深まり、三角関係になるのか……今後が楽しみです。