【感想・ネタバレ】アビスアジュールの罪人 3のレビュー

あらすじ

暴君ハルジオンの掲げる「人魚島計画」を訝しんだジョーと警備隊のアキラは、変装して官邸へと侵入する。そこで耳にしたのはおぞましい陰謀だった! ハルジオンに心酔するリュウとそれに反旗を翻すジョー、そしてふたりの人魚の間で揺れる人間の雪。絡まりあった関係が辿り着いた場所とは――。
深海を舞台に繰り広げられるファンタジー巨編、堂々の完結。著者・冨明仁渾身の筆致が、異なる種族たちの生きる姿を力強く描き出す。

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もっと読みたかった!

全3巻と聞いて、「嘘でしょ!?」と声が出そうになりました。人魚たちの住む世界観がとても凝っていただけに、正直、この内容なら10巻くらいか、せめて5巻くらいまでもう少し詳しく描写してほしかった気持ちが否めません……!

ハルジオンの人魚島計画の全貌。案の定というかやはり人間との共存ははなから関係なく、リュウと雪の間に人魚と人間のハーフを作り、それを大量に複製・増殖・洗脳し、地上を奪っていく人魚の兵団を作ること。
真実を知ったジョーはハルジオンから雪とリュウを助けるために奔走しますが、その矢先にかつて人魚の国を治めていた皇魚の娘、死んだと思われていたリンリンに出会い、幽閉の身となった彼女を助けます。

個人的な意見ですが、このリンリンがいわゆるデウス・エクス・マキナ的な存在に感じられてしまい、非常に残念でした。リンリンの血が人魚→人間、またその逆の薬のもとになるということや、皇魚の設定、リンリンをジョーが助け懐かれたことでその先のピンチの突破口になりやすいように見られ、少し冷めた視線を送ってしまいました。1巻や2巻の時点でリンリンの存在を示唆するような描写が見られたら別だったのですが……

ジョーの雪への気持ちに気づくのもあっさりですし、雪の自覚はともかく互いに想い合っているジョーと雪に、リュウが諦めてしまうのもドラマが足りないように感じます。やはり3巻でまとめなければならない尺の都合があったのかもしれません。ですが1巻、2巻ととても作者さんのこだわりを感じていただけに、あまりに収束が早すぎて残念です。マヤの執着ももっとじっくり見たかった。

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2023年05月29日

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