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人間界編?
今回、キーとなりそうなキャラクターが出てきました。男性の人魚、マヤとハルジオン。なかなか曲者感が強いです。
1巻、人間の雪と出会っていたため投獄された人魚のリュウ。彼女の願いを叶えるため、主人公のジョーは雪に会いに行こうと画策します。
人魚から人間へ変わる薬を誤って飲んでしまい、追われながらも幸運にも雪に遭遇できたジョー。追手を振り切り、雪の家にてリュウを救うための作戦会議をします。
人間の体に慣れようとしていたところ、マヤ(人間の姿をしていましたがこの男も薬で人間化している)に捕まってしまい、マヤから人魚へ戻る薬を奪って逃走、雪も人魚化し、ふたたびリュウは海へ……
すると人魚たちの警備隊とともに、リュウ、そして大臣の地位につくハルジオンが登場。ハルジオンは『人魚島』という計画を持ち出し、人魚が住める島を手に入れることで、人間と人魚の共存を目指している、と。
そこに、恋に落ちたリュウと雪に関わってほしいと持ち出し、雪は承諾。リュウと雪が去っていくのを、複雑な思いで泣きながら見送るジョーでした。
読みながら、心配事がいくつかあります。上記に書いたようにマヤ。彼はかなりジョーに執着をしており、ジョーの体を遠慮なく触ったり付きまとったりしています。人魚の価値観を人間に当てはめて良いものか考えますが、やはり見ていてハラハラさせられます。
そしてハルジオン。キャラクターデザインはどのキャラより目立ちます。アラブのような雰囲気に食えない感じが怪しいです。
今回人魚になった雪ですが、彼はどうやらリュウへの思いは新種の生物を発見したときの高揚感に似ているような気がして、人対人の恋では無いように感じられます。そこに、行動をともにして助け合ったジョーとの仲が深まり、三角関係になるのか……今後が楽しみです。
Posted by ブクログ
リュウの命を助けるために、人間と接触するジョー。そのせいで、人間になる薬を飲んでしまったジョーは、今の状況を作り出した原因である雪に救助されます。
人間を嫌悪していたジョーですが、差別せずに接する雪という存在で、人間への認識が変化してゆきます。
これは、雪が研究者ゆえの好奇心が強く出ているのであって、ジョーを個人として見ていない面があるのだと思うのだけど、それには気づかない。気づけない。新種発見で目を輝かせている時と同じなんだよなあ、と思う。
リュウよりもジョーと過ごすことで、研究者としてでなく1人の人間としての関わりが強くなっていきます。変化は少しずつだけども、それが今後のリュウとジョーとの三角関係に発展していきそう、そこには不穏しかない。
ジョーが人間化しているときに遭遇した人間化した人魚のアキラ。彼が語る「人魚島計画」の存在が、ディストピアの色を濃くします。
計画推進派と保守派の争い。明らかに自分自身の目的を隠しているアキラ。人魚と人間の間で、振り回されるジョーと雪。自分の心のゆくままに振る舞うリュウに、ジョーはどう答えてゆくのか。
いいね、ディストピア。きっと海は美しくもあり、荒ぶりもするけど、ただ全てを包み、いつもそこにあるのでしょう。