あらすじ
世界数千万部の傑作ファンタジー巨編「ドラゴンランス(戦記)」の待望の前日譚を初邦訳!
ウェイレスの〈上位魔法の塔〉に招かれた双子の兄弟――
「ドラゴンランス」シリーズの最大の謎の1つである、〈双子の大審問〉の真実の全容がついに明かされる!
そこでの戦慄の事件が、双子と世界を決定的に変えた!!
「魔術師の〈枢密会議〉はずっと〈大審問〉の性質を秘密とするよう命じてきた。だが、レイストリンの“死”後、彼についてある種の馬鹿げた有害な噂が流れはじめた。(中略)したがって、キャラモンはレイストリンの〈大審問〉を簡略に記した話を書き、それは〈双子の大審問〉の名で知られるようになった。その物語も基本的には真実だが、実際の出来事はそこで描かれたものとは大きく異なることが、本書によりよくわかるだろう。」(クリンの歴史家アスティヌス)
【主人公】レイストリン・マジェーレ:双子の弟で、種族は人間。兄が男前で頑健なのに比べ、幼い頃から体が弱く、内省的で、弱い者いじめにあう。それゆえ兄に守られ、兄を頼らざるをえないが、同時に自分の弱さを呪い、兄への複雑な感情を抱く。仲間から信頼されず、好かれもせず、陰険で冷たい人間と思われがちだが、その虚弱さゆえに、心の底では弱き者への思いやりを育てている。そんな彼が自分の存在意義を感じられ、救いを感じられるもの――それこそが「魔法」の研究だった。
※本書は、電子書籍で刊行中の下記『【合本版】ドラゴンランス 全25巻』には含まれていない、新規邦訳作品になります。
●『【合本版】ドラゴンランス 全25巻』とは?
原著者注釈付きドラゴンランス(戦記)・原著者注釈付き伝説~魂の戦争・秘史までの全巻セット(外伝ネアラ2巻を含む。後発の「レイストリン戦記」は除く)。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
フィス!タン!ダンティラス!!(打ち合わせにない掛け声はやめろ!そしてなにより語呂が悪い)
面白かった!面白かったがどうやらまともにレビューするつもりはないらしいので、あーなんかひまわりめろんがやいやい言うてますなー思って少しでもドラゴンランスの物語に興味を持たれた方はネットでちゃんとしたレビューを検索して頂きたい(他力本願寺の住職か!)
「前日譚」です!(急に)
前日譚てこういうのを言うんだなっていうお手本のような物語です
あの日あの時あの場所で彼が下した決断は過去のこんな出来事に起因してたんだな!という真実
本編で語られた仲間内の思い出話の詳細
実はあの人とちょっとすれちがってました!というオマケ
うーん、素晴らしい!
それでは最後にご一緒に
ゼーン!ジーツ!ターン!!(確かに語呂はいい)
Posted by ブクログ
『ドラゴンランス戦記』以前の、若かりし魔道士「レイストリン」の人生を綴った物語で、すんなり『大審問』に話が行くのかと思ったら、その前のランスの仲間たちによる(しかもキティアラが同行)、ヘイヴン行が思いの外、面白かった。
このヘイヴン行は、当時まだドラゴン軍が台頭していなかった時代でもあったことから、冒険ごっこにならざるを得ない面白さもありながら、その後、結果的に大冒険となる展開も巧みで、しかもそれぞれのキャラクターの特性をちゃんと活かしたものになっており、それは、スタームの騎士道に則った周りに影響されない勇気ある行動や、キティアラの如何にもな行動指針に、フリントの言葉の裏に潜む優しさや、タニスの当時から窺えるリーダー的視点、弟の為ならば自らを顧みないキャラモンに、そして、ここぞというときに頼りになるタッスルホッフと、やはり、このメンバーは五年後に再会を誓う前から、素晴らしいパーティだなと思わずにはいられないし、結果、レイストが彼等をまとめ上げて、大きな目的も達成される点には、前巻の展開にヤキモキさせられた方も、きっと、すっきりすることだろう。
そして、物語はついに『大審問』へと突入するが、ここでの双子の葛藤だけでなく、試す側の、「パー=サリアン」達の見解や思惑も判明することによって、『ドラゴンランス伝説』で感じた疑問点も解消されるが、そこで知らされたレイストの葛藤はより印象的であり、こんなにその先へ進むのを躊躇っていたことを知らなかった私としては、彼は彼なりに、もう二度と戻れないことを既に覚悟していたようでもあり、それと唯一つり合いを保てる存在に身も魂も委ねていた、そのときの孤独感は如何ばかりだったのであろうか。
また、それ以上に心に残ったのが終章であり、それを何故残したのかもそうだし、キャラモンの弟への思いもそうだし、何よりも、ここに書かれている彼自身の思いが全て真実であったことを、私はとても嬉しく感じられた瞬間、これまでの彼の心の内にあった、彼の中にもあった人間らしさを思い出す。
『~の優しさと惜しみなさは、彼の心の壁をあとかたもなく突き崩していた』
『レイストリンの胸の中に怒りが燃え上がった。
遠い昔にののしられた言葉に火をつけられてから、くすぶり続けていた怒りだ。弱い者が自分よりも弱い者に使う言葉』
『弟は兄の顔を見て、喜びのあまり泣き崩れそうになった』
『戦記』や『伝説』とはまた違った彼を知ることが出来る、このシリーズ、特にレイストファンには、是非読んで欲しいと思う。