あらすじ
シリーズ累計・世界数千万部ファンタジー「ドラゴンランス」の待望の前日譚を初邦訳!
陽気で人望ある屈強な双子の兄キャラモンとは対照的に、頭脳明晰だが虚弱で〈陰険男〉と呼ばれた弟レイストリン。
双子は傭兵となり、兄は戦士へ、弟は魔術師へと本格的に歩みだすが、彼らの姉は次第に闇へと接近していく――
「たった数日で、人生が様変わりしてしまった! 丈夫な体で、自信を持ってここ〈上位魔法の塔〉には立ち入った。出ていく今、弱りきって打ちのめされている。視覚は呪われ、体は虚弱だ。それでも、勝利を収めて出ていくんだ。魔法を手に出ていく。これを手に入れるためなら、魂だって差し出しただろう……」
命がけの試練である〈大審問〉を通過し、赤ローブ(中立)の魔術師として歩み出したレイストリン。肌は金色になり、ちょっとした魔法を使用するだけですぐに咳き込んで倒れ込む脆弱な肉体となり、全ての者が老いさらばえていく姿に見える呪いを目に受けた彼と、陽気で屈強な兄とが、新たなる友であるハーフ・ケンダーの〈寸借屋〉らとともに傭兵として成長、活躍していく姿を描く第3巻。
一方、双子の異父姉であるキティアラは、〈暗黒の女王〉タキシスの降臨をもくろむ邪悪なドラゴン軍へと接近し、その最高司令官であるアリアカスからある重大な試練を受けることになり……
※本書は、電子書籍で刊行中の下記『【合本版】ドラゴンランス 全25巻』には含まれていない、新規邦訳作品です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
〈大審問〉を経て赤いローブの魔法使いとなったレイストリンと双子の兄キャラモンが生きる糧を求め傭兵となり成長していく姿を描いた第3巻
一方で野望に燃える双子たちの姉キティアラはその冷酷さと度胸で暗黒の女王タキシスの軍勢の中で地位を確立していく
今作も魅力的なキャラクターたちが大勢登場する中で最も心惹かれるのはレイストリンを鍛え上げる茶色のローブの魔法使いホーキンス師
茶色のローブは正式な魔法使いではないことを示していて、レイストリンも最初は蔑むような態度をとるんだけど彼がめちゃくちゃかっこいいのよね
見た目は背が低くて腹が出た赤ら顔の40代で、頭は禿げ上がり、顔も毛がなくツルツルと最低の部類
だけどいくつもの戦場を生き抜いてきた圧倒的な経験に裏打ちされた教えはすぐにレイストリンの尊敬を得ていくんよね
なんていうかまだまだ子供じみたレイストリンと比較して圧倒的に大人なんよ
そして生きることは戦うこと、生き残るために謙虚に学ぶことの大切さを教えてくれるんよ
常に自分省みて内に向かって閉じていくレイストリンの目を大きく見開かせ成長を促し、厳しさと優しさを持ったまさに師と呼ぶにふさわしい存在
それがホーキンス師
うーんやっぱり男は中身よ(女もだけどね)かっこいい
この師ともっともっと長い時間過ごしていたら『伝説』での悲劇的結末は変わってたんじゃないかなって思わせる存在でした
Posted by ブクログ
『魂の剣』に続くシリーズ第3巻。〈大審問〉の試練を越えた双子は戦いの経験と生活の糧を求め傭兵になるが……。
〈大審問〉直後の双子の動向から始まり、傭兵になった二人の訓練と新たな出会いが語られていく。砂時計の瞳に金の肌、病弱な赤ローブと、おなじみの姿となったレイストリンだが、この時点ではまだ皮肉屋な側面よりも青年らしい若さと未熟さを残しており(たぶん素直さも)、教官や仲間たちとの交流を通して成長していく姿を見られるのが嬉しい。キャラモンが関わることになる新キャラの魅力も大きく、他の竜槍のメンバーの不足を十分に補っている。
一方、アリアカス将軍に接触したキティアラは、自らの価値を証明するべく、思いもかけない任務を受けることに。ここからの、どファンタジーな展開には大興奮。冒険が戻ってきた感にワクワク。
兄弟たちがそれぞれに直面する試練は、どこにつながっていくのか?先が気になるところで下巻に続く。