【感想・ネタバレ】また殺されてしまったのですね、探偵様【電子特典付き】のレビュー

あらすじ

殺された。やっぱりまた殺された。
伝説の名探偵を父に持つ追月朔也は、半人前の高校生探偵。
今日も依頼を受け、意気揚々と浮気調査や猫探しなど地味な仕事にいそしむが、なぜか行く先々で殺人事件に巻き込まれてしまう。
しかも”被害者”は自分自身!?
特殊体質によって毎度生き返る朔也を膝枕で出迎えるのは優秀な助手リリテア。
「また殺されてしまったのですね、探偵様」
「……らしいね」
探偵として、そして被害者として、朔也は文字通り命賭けで数々の難事件を解決していく──!
てにをは×りいちゅで贈る極上の本格ミステリー、開幕。
【電子限定!書き下ろし特典つき】

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Posted by ブクログ

ネタバレ

本作は、その挑発的なタイトルから受ける印象をはるかに超え、ミステリという形式そのものに誠実に向き合った意欲作である。探偵が「また殺されてしまう」という反復構造は一見奇抜だが、それは単なる話題性のための装置ではない。死という断絶を何度も経由させることで、真実に至るまでの過程を極限まで研ぎ澄まそうとする、強い意志が物語全体を貫いている。

 物語は軽妙な会話劇のように始まりながら、次第に論理の網を張り巡らせていく。

 また、繰り返される「死」は単なる出来事ではなく、登場人物たちの関係性や覚悟を浮かび上がらせる鏡として機能している。命が失われるという事実の重みを軽視することなく、それでも前へ進もうとする姿勢が物語に静かな強度を与えている。探偵と周囲の人物との対話には、戯画的な軽さと同時に、どこか切実な緊張が潜んでおり、その二重性が作品の奥行きを形作っている。

 挑戦的な構図を取りながらも、最終的にはミステリというジャンルへの深い敬意が伝わってくる一冊である。軽やかな装いの奥に、重厚な構造と確かな思想を秘めた作品として、長く印象に残る読書体験となった。

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2026年02月20日

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