あらすじ
ののとはな。横浜の高校に通う2人の少女は、性格が正反対の親友同士。しかし、ののははなに友達以上の気持ちを抱いていた。幼い恋から始まる物語は、やがて大人となった2人の人生へと繋がって……。
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Posted by ブクログ
タイトルからほっこり系のお話かと思いきや…
ののの言葉に共感できることが多かったです
魂の片割れとも思える存在を知った人の、「だれかを愛し、だれかに愛されるにふさわしい人間になるべく…」という言葉の重み
後半に行くまでは好みじゃないかもと思いましたが、2人の人生を見守るにつれて終わらないで欲しいと感じるようになりました
辻村さんの解説も素敵でした
Posted by ブクログ
ののとはな、二人の人生が交わり、離れ、また漸近する、その過程が丁寧に紡がれた物語でした。どきどきしながら1章の幸せいっぱいのやり取りを読み、破綻した後のどこかひりつくような2章、そしてかつての愛を懐かしみ愛おしみながら未来へ進む3章と読み進めました。このやり取りがいつかまたどこかで再開するような気がして、その先を読んでみたいと思いました。
Posted by ブクログ
タイトルと言い始まり方と言い
いわゆる【甘酸っぱい女の子同士の恋愛】と
思っていた
だけど読み続けるとそれぞれが大人になり
それぞれが相手の知りえない経験をし
それを後々メールで伝えることで
お互いが【あの気持ちは本物】だと
激しく何度も再確認し合う
ラストは想像と違った
だからこそリアルか…
猫飼いの身としては為五郎が
たくましく暮らしているか気になる
Posted by ブクログ
往復書簡の形式で進むお話というのがとても新鮮でおもしろかった。本当にこれだけで長編小説が成り立ってしまうのね…
一方からの手紙が続く様だけでここまで「語れる」とは、小説家って本当にすごいなと思った。
登場人物は二人ともお嬢様って感じ。
ののは一般家庭ではあるものの、通ってる学校がお嬢様学校だからだろうか。
小説全体を通して、二人の学生時代から大人になるまでが描かれており、物語の壮大さとしては、『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』(ガブリエル・セヴィン)にも似ている。人間の人生をまるっと読んだような感覚。
特に学生時代の、友達以上恋人未満のような秘密を含んだ甘い雰囲気は、とてもキュートでかわいらしい。また、大人になってからのやり取りにも二人らしさが詰まっていて、年上の二人にも関わらず「大人になったねぇ」と感慨深くなってしまう。
一方で終わり方はちょっとあっさりめで、やや消化不良感あり。恋愛小説とはこういうものなのか?
どこかでまた巡り合い、素敵な関係を続けていってほしいなぁ、と未来に思いを馳せてしまった。
Posted by ブクログ
読み始めて最初に感じた少女時代の文体の違和感は舞台が昭和だからで、自分の周りにいるそのぐらいの年代の人たちを想像すると、少女時代はこんな感じだったのかな、と思えるところがちらほらある。
言葉遣いが笑ってしまうぐらい同じだったりするのだ。ガラガラが出てきたときには驚いた。(他にも言う人いたんだ、と)
その時代なんだと思って読み進めれば、わりとすんなり内容は入ってくるし、時代を考えれば考え方や価値観も自分を合わせにいって読むことができる。
やりとりがもどかしくて速達で手紙を送る時代。
やったことがないからどんなふうに日中学校で過ごすのかなんて考えてしまった。交換ノートのように直接相手に渡さなくていいし、誰かに見られる心配もない。
2人が恋人同士になるなんて、全く知らずに読んだので衝撃だったし、恋愛にまつわるあれこれも人様の手紙を勝手にこちらが読んでしまっているような感覚にもなった。
2人の成長と、心の在り方の変化が丁寧に描かれていて、会えても会えなくても、どうか2人それぞれの相手に対する想いがどんな形であれ通じますようにと祈りたくなる最後だった。