あらすじ
ののとはな。横浜の高校に通う2人の少女は、性格が正反対の親友同士。しかし、ののははなに友達以上の気持ちを抱いていた。幼い恋から始まる物語は、やがて大人となった2人の人生へと繋がって……。
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Posted by ブクログ
書簡の合間(私には白い空白に見えているところ)も、ののとはなの生活は流れていて、最初はその書簡の合間を想像して、二人の日常を記録と想像の往復で垣間見ているからこその没入感が新鮮で面白かった。飛び石的な時間の流れだからこその展開の速さに目を見張るときもあり、ののはなの二人は思考の整理がついてから書いてる手紙だったりすると完全に私は置いてけぼりでそれもまた痛快な面白さだなと。
また、「読者に見えない時間が相対的に多いから私が分からない場面がたくさんあって当然」という気持ちに騙され、ののとはなの二人同士にもいくつか秘密があるという当たり前なことがなぜだかいつもよりショッキングになった。私に染み付いたオタク根性が二人の関係を応援しまくってた、という盲目的な悪癖も出てたかも。
それから一章を読み終えたあとのその先の本の厚みに人生の長さを感じた。ああ、そんなことがあってもそれでも続いていくんだよねという気持ち。
最後の方の手紙はだいぶ現代に近く私も生まれていて親近感と共に読み進めていると、ふととある書簡が読んでいる今日と同じ日付で(もちろん年号は違う)突然自我が頭をよぎった。よく見たら描写されてる天気まで一緒で驚き。それで思ったことは二つ、おばあちゃんに手紙書こうかな、と、私が今まで書き記してきたもの(手紙日記読書記録など)って全て恥ずかしくて読み返せない!なんて恥の多い生涯!ということ。後生大事にしたい他人とのやりとりなんて私にあるかしら。若い頃の青い情熱がないと成し遂げられないことだなんだとしたら、あまりの残酷さに泣いてしまうかも。本編ではこれより一つも二つも次元の高いところの残酷さを嘆いたりしてたけど、私はまだそのラインにはいけないかもしれない、悲しい。少なくとも今好感を抱ける友人たちに対しては、恥を顧みず交流をはかり長い付き合いにしていきたいと思った、とても。私も3章くらいの年齢になったときに化石を慈しめるような人間になれたらいいな、黒歴史ではなくそれは黒曜の輝きなのよってさ。
Posted by ブクログ
心から人を愛した時間は、その人の人生を照らすのだと思いました。
どんなことにも決して揺らぐことのない、深く運命的な、愛の物語でした。
読む手が止まらず、一気読みでした。
Posted by ブクログ
手紙のやりとりだけで進んでいく物語は初めてで、とても斬新でした。
ずっとラブレターを読まされる……? と思っていたら離別に離別を重ねていて、どこに着地するのかソワソワしながら最後まで読みました。
手紙とメールというラグがもどかしさと臨場感を引き出していました。
終盤、磯崎からののに言った「二人は似ている」が印象的でした。
それぞれに愛する人ができて、環境も生き方もガラリと変わったけど、何百通ものやりとりを経て心の深くで融合したところが滲み出てる……それも無自覚で、というのがなんともエロい。
悦子さんの死に目に立ち会えなかったことはののにとって相当なショックだった。今度ははなが生きているかも無事かも分からない中で待つことができるのは、ののの中で根付くはなとの絆をしっかり感じて信じる覚悟ができたからだと思った。
暗いことがあっても日常はくるし、相手を信じて日々をこなすことはけして悪いことではない。
そんなメッセージを感じました。
Posted by ブクログ
タイトルからほっこり系のお話かと思いきや…
ののの言葉に共感できることが多かったです
魂の片割れとも思える存在を知った人の、「だれかを愛し、だれかに愛されるにふさわしい人間になるべく…」という言葉の重み
後半に行くまでは好みじゃないかもと思いましたが、2人の人生を見守るにつれて終わらないで欲しいと感じるようになりました
辻村さんの解説も素敵でした
Posted by ブクログ
説明もなく始まるののとはなのやり取りに最初こそ戸惑いましたが(どっちが書いてるのか分からなくなる!)、読んでいるうちにそれぞれの文体が分かってくる不思議。ののは自分かもしれない。はなは自分かもしれない。女同士の甘酸っぱくもリアルなやり取りに自分を重ねてしまいました。おもしろかったとは違う、ただ、読めてよかったと心から思える読後感です。すごい本でした。
Posted by ブクログ
タイトルと言い始まり方と言い
いわゆる【甘酸っぱい女の子同士の恋愛】と
思っていた
だけど読み続けるとそれぞれが大人になり
それぞれが相手の知りえない経験をし
それを後々メールで伝えることで
お互いが【あの気持ちは本物】だと
激しく何度も再確認し合う
ラストは想像と違った
だからこそリアルか…
猫飼いの身としては為五郎が
たくましく暮らしているか気になる
Posted by ブクログ
往復書簡の形式で進むお話というのがとても新鮮でおもしろかった。本当にこれだけで長編小説が成り立ってしまうのね…
一方からの手紙が続く様だけでここまで「語れる」とは、小説家って本当にすごいなと思った。
登場人物は二人ともお嬢様って感じ。
ののは一般家庭ではあるものの、通ってる学校がお嬢様学校だからだろうか。
小説全体を通して、二人の学生時代から大人になるまでが描かれており、物語の壮大さとしては、『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』(ガブリエル・セヴィン)にも似ている。人間の人生をまるっと読んだような感覚。
特に学生時代の、友達以上恋人未満のような秘密を含んだ甘い雰囲気は、とてもキュートでかわいらしい。また、大人になってからのやり取りにも二人らしさが詰まっていて、年上の二人にも関わらず「大人になったねぇ」と感慨深くなってしまう。
一方で終わり方はちょっとあっさりめで、やや消化不良感あり。恋愛小説とはこういうものなのか?
どこかでまた巡り合い、素敵な関係を続けていってほしいなぁ、と未来に思いを馳せてしまった。