あらすじ
●すべての世界史の本の入り口となる本です。
つまり、世界史の入門書の入門書です。
●実は、従来の入門書は、意外にハードルが高いものが多くなっています。
理由としては、「出来事が羅列されているだけ」「結局は歴史の流れをつかめない」「固有名詞が多すぎ」など。
無味乾燥な情報の詰め込みすぎなのです。
その結果、つまらない上、分量が多すぎて読むのが非常に疲れます。
●そこで本書では、「面白い! 」「なるほど! 」を読者に感じてもらい、
世界史に興味をもってもらうことを主眼に置くことで、
読者に世界史に嫌悪感を抱かせたり、挫折させたりしないようにしました。
●「なぜその事件が起きたのか」「現代社会とどのようにリンクしているのか」「現代社会に例えるとどんなイメージなのか」「一言で言うと、結局どういったことなのか」
「当時の人々はどんな気持ちで行動を起こしたのか」などにフォーカスすることで、それを実現ました。
●ですので、事件や人物の(入試等での)頻出事項を網羅することは、
他の世界史の本(入門書も含む)にゆずると割り切っています。
まずは興味を持ってもらい、各々の出来事のイメージを持ってもらうのが先決だからです。
これが真の入門書の役割と言えましょう。
●テレビのバラエティ番組のプロデューサーが本職の著者・角田陽一郎は言います。
「今起こったことや最近流行ってることを、瞬時に理解して、どう表現すると皆さんに伝わるか?
僕らテレビスタッフは始終考えています。
そして放送時間は限られています。
まさに情報を“最速で身につける"のがバラエティ番組なのです。
この「最速で身につく」という観点で、世界史を構成・編集したのが、
まさにこの『最速で身につく世界史』です」
●また、著者は東京大学西洋史学科で世界史を勉強・研究してきただけでなく、
世界史とは一見関係性の薄い書物も多数読んできました。
著者の持つ膨大な知識から、わかりやすく、面白いものを厳選して集めたのが本書なのです。
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Posted by ブクログ
我々人類は共通の祖先から世界史が始まった。
4大文明に共通するもう一つの条件は、すべて大河の流域に存在したと言う点。それは乾燥地帯にたまたま自生していた植物を上するためには、水を確保する必要があったから。
現代の暦の起源=毎年決まった時期に増水が始まるからその日を元旦に設定して1年が365日の太陽暦が作られた。
中華思想は自己完結型の世界観。
世界の中心=中華であり、外部は自分たちの下に序列する下部集団に過ぎないと言う考え方。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教はユダヤ教が元になってできたもので神様同一。
多神教は温暖湿潤で多種多様な動植物がいる環境で生まれた森の宗教。
我々の思想は、実はその地の気候や環境にとても影響受けている。
東アジアで、2500年以上にわたって多大な影響与え続ける思想が孔子が創設した儒教。
新たな宗教が広がるきっかけは、社会に不満が高まっている時が多い=世界史のセオリー。
王朝が起こる→制度改変が起こる→皇帝が何代か続き絶頂期を迎える→政治が腐敗する→民衆が疲弊し不満が高まる→各地で反乱が起こる→新たなカリスマが立ち上がる→新たな統一王朝を起こす。
インドの宇宙観から誕生したのは0の概念の発見。
人も動物も、横移動のほうが縦移動に比べて移動しやすい。
キリスト教会に抑圧されていた精神を解放するぞと言う人間中心主義が掲げられて芸術が花開いた。そこにイスラム世界から流入した最新の自然科学の知識が融合して、科学が生まれた。
代表者を選んだのが神なのか人なのかということが大事なポイント。
聖書を一気に広めたのは、新しい技術革新=グーテンベルグによる活版印刷術の発明。
スペインのフェリペ2世は、1580年にポルトガルを併合して、その広大な領土から太陽の沈まぬ帝国と呼ばれた。
フィリピン=フェリペの領土と言う意味。
フェリペ2世はカール1世の息子。
ブルボン朝のフランスは、アメリカ中央部メキシコ湾のミシシッピ川流域から五大湖・カナダまでを獲得して植民地にする。=ルイジアナと呼ばれたが国王ルイの領土と言う意味。
その地の特産ウイスキーをバーボン=ブルボン朝のブルボンから来ている。
イギリスのエリザベス1世はアメリカ東部を植民地にする。
その地はバージニアと命名されたが、エリザベス1世は生涯未婚のため処女王と呼ばれた彼女にちなんだ。
1602.年に作られたオランダ東インド会社は、世界初の株式会社。
各国の行動力学
①自分たちの植民地確保による勢力拡大のための世界分割
②本国から植民地へのルート確保。
3B政策
ベルリンからビザンティウム、バグダードを陸路で結ぶ。
1989年は世界史的には大転換の年
①昭和天皇が崩御
②東欧ビロード革命
③天安門事件
④ペレストロイカ
⑤ベルリンの壁が崩壊
⑥冷戦の終結
(1789年にはフランス革命で王政打倒の民主主義革命)
アメリカのドルと言う単位の由来= 16世紀の神聖ローマ帝国のボヘミアで発行されたターラー銀貨と言う言葉が使われたから。
21世紀の現代、これから来る未来は、適量生産、適量宣伝、適量消費と言うまったく新しい個人の経済に向かう。
芸術と科学が、これまで以上に意味を持つ未来が来る。
今までの「どれだけお金が儲かったか?」ではなく、「どれだけ時間を、何のために使ったか?」と言う、資本主義から時本主義への移行。