【感想・ネタバレ】余命10年のレビュー

あらすじ

第6回静岡書店大賞 映像化したい文庫部門 大賞受賞作
20歳の茉莉は、数万人に一人という不治の病にかかり、余命が10年であることを知る。笑顔でいなければ周りが追いつめられる。何かをはじめても志半ばで諦めなくてはならない。未来に対する諦めから死への恐怖は薄れ、淡々とした日々を過ごしていく。そして、何となくはじめた趣味に情熱を注ぎ、恋はしないと心に決める茉莉だったが……。涙よりせつないラブストーリー。
カバーイラスト・loundraw

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恋愛小説というわけではない

 主人公の10年間の人生を垣間見ているという印象です。恋愛小説という触れ込み、ラノベ調の表紙(これは好みがあるかもしれません)、しかも映画化決定ということで読むことを避けているのならば少しもったいないと思います。
 時折挟まれる主人公の心情の吐露には胸が締め付けられる程の響きがありました。ただ礼子の描写が少し物足りなかったり、主人公の両親の心情描写もあったらより深みが増しそうですが、これは著者が自分の人生を振り絞って描いたもので、それは出来なかったのでしょう。振り返る余裕もなかったのでしょう。しかしその荒削りな描写が著者の人生と重なりこの本の魅力を増しているように思えます。
 良い本だと思います。著者のご冥福をお祈り致します。

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2021年08月19日

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