• 余命10年
    ネタバレ 購入済み

    恋愛小説というわけではない

     主人公の10年間の人生を垣間見ているという印象です。恋愛小説という触れ込み、ラノベ調の表紙(これは好みがあるかもしれません)、しかも映画化決定ということで読むことを避けているのならば少しもったいないと思います。
     時折挟まれる主人公の心情の吐露には胸が締め付けられる程の響きがありました。ただ礼子の描写が少し物足りなかったり、主人公の両親の心情描写もあったらより深みが増しそうですが、これは著者が自分の人生を振り絞って描いたもので、それは出来なかったのでしょう。振り返る余裕もなかったのでしょう。しかしその荒削りな描写が著者の人生と重なりこの本の魅力を増しているように思えます。
     良い本だと思

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    2021年08月19日