あらすじ
親から継いだ牧場で黙々と牛の世話をする秀一は、三十歳になるまで女を抱いたことがない。そんな彼が、嫁来い運動で中国から迎え入れた花海とかよわす、言葉にならない想いとは――。(「波に咲く」)寄せては返す波のような欲望にいっとき身を任せ、どうしようもない淋しさを封じ込めようとする男と女。安らぎを切望しながら寄るべなくさまよう孤独な魂のありようを、北海道の風景に託して叙情豊かに謳いあげる。
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Posted by ブクログ
桜木紫乃さんの小説は、これまであまり読んでこなかった部類の小説なので、こういう世界もあるかと夢中になった。
でも何冊か読んでいくと、決まったシチュエーションが繰り返され、物語の小道具となって語られることに気づいた。
物語の背景には既視感が否めないが、それでも、最後の「根無草」では思いがけぬ結末が待っていて、物語の面白さは変わらなかった。
人はここまで落ちてしまうのかという「プリズム」はいたたまれなかったが、酪農家に嫁いだ中国人の娘、「海に咲く」の海花や、「絹日和」の奈々子が、静かに自立していく姿は鮮やかだった。
Posted by ブクログ
桜木紫乃作品2冊目。
「ホテルローヤル」を読み、桜木紫乃作品を毒破してみようかなっと思い、夏カドフェスにも取り上げらた、この本をチョイス。
ホテルローヤルより、湿気を帯びた暗さがある作品。
特に最後の話は、主人公の父親と母親との夫婦の愛情が理解できない。
父親が友人(というか、仕事関係の人)に、妻を抱くことをお願いするのは、いくらお金が絡んだとはいえ、わからない。
私の思考がまだまだ、餓鬼なのかな?