あらすじ
カリスマ書店員・谷原京子は、長いスランプが続いていた。そんな中、「おもしろい本の話と店長のグチを言い合える」唯一無二の元同僚・磯田さんの結婚式が行われた。京子の心配をよそに、マイクを握りしめ、颯爽と燕尾服を脱ぎ捨てた山本店長が高らかに歌う――その一週間後、磯田さんが京子を訪ねてきた。「谷原さんにはこれからもちゃんと戦い続けてもらわないと困るんです、書店を守ってもらわなきゃ」という彼女の言葉に、京子は複雑な気持ちに駆られる。ぶっ飛んだ店長や書店を取り巻く厳しい状況と日々闘いながらも、自らの人生と書店の未来を切り開いていこうとする京子だが……
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Posted by ブクログ
いやー!私はこの本が大好きなんですよ。
このシリーズが大好きなんです。
店長バカシリーズとしては3作目。
私は悲しいかな、読んだ側からどんどん忘れていってしまう人で。
(これは多分体の性質上仕方ない、本当に悲しいくらいに記憶力が乏しい)
だからシリーズ3作目を読みながら、1作目、2作目をおさらいしてるんだけど。
ずーーっと作者は
本屋を守ろう!紙媒体を守ろう!
っていう思いを伝えているんだと思う。
...違ったらすみません。笑
.
本作でもその情熱を感じてて。
キッズがこわすぎて、インフルエンサーがバカすぎて
からもひしひしと感じるんだけど。
街の本屋を潰していいの?だめだよ!守れよ谷原京子!の熱い想いが伝わってくる。
そもそもだけど。
量販店とか、ネット販売とか、コンビニとかそりゃあ便利です。
一気に買い物が済まされるし、家にいて買い物出来ちゃうし、あ!これ欲しい!って時に買えるし。
それぞれの良さは勿論ある。
だけど、利便性だけで世の中回していいのかな?ってすごい感じる。
ネットだったら、商品の特徴とかをそもそも自分で調べないといけないし
量販店、コンビニに関しては「生きていかなきゃいけないから働く!」っていう人が大半だと思う。
勿論それは大切なことだし、悪いことではない。
でもやっぱりその物に対しての愛情は薄いよなって感じる。
家電量販店で店員さんに質問しても、すぐに返事が返ってこないこともしばしば。
そもそもコンビニで商品について質問しようなんて思ったこともない。
でも
例えば魚屋さんとか、八百屋さんとか、本屋さんとか
みんなその道のプロで、商品に対する愛がある。
だから買う側も安心できるし、信頼できる。
便利なのは、必要。
だけど、それだけで世の中回していいのかな?
不便だけど。高いかもしれないけれど。
街の本屋をはじめとする専門店を、どうか残してほしい。
情熱が詰まった作品です、ぜひ読んでください!!!
本屋とは昨日までの自分が知らなかったことが知れる場所。
まさにそれ、ほんとそれ。
そして今作なんか店長かっこよくね?って思ったら
メテウス婿が描く店長だったからか、納得。
Posted by ブクログ
完結編。ついに、その時が来る。
『店長がバカすぎて』シリーズの三作目にして、一応の完結編。怒れる谷原京子は今回も健在だ。もちろん、我らが山本猛店長も健在なのだが——今回は、様子が違う。
店長には、京子が「原理4」と呼ぶ店長派の店員がいる。その謎のカリスマ性が、なぜかさらに増大している。ひょっとすると、ほんとに有能なのか。そう思わせる店長なのだが、やはり京子にとっては理解不能であることに変わりない。
結婚式から、今回の物語は始まる。これまで一緒に働いていた同志、磯田真紀子が結婚して辞めてしまうのだ。新しく入った新人、猫娘こと花岡苺は原理4のひとりで、京子には目を合わせてもくれない。ガルルッとうなる。
密かにライバル心を燃やしていたリバティ書店の神田本店も、業績悪化から店じまいする。街の書店を取り巻く環境は、悪化していくばかり。
京子は、そんな状況で今日もまた武蔵野書店吉祥寺本店で働く。やがて物語は、京子に決断を迫ることになる。
さらば! 武蔵野書店吉祥寺本店!
Posted by ブクログ
シンプルに面白かった〜!
このシリーズは店長って一体どんな人なの?という展開と、谷原さんの人生の選択と、そして本を愛する人へのメッセージ、店長シリーズの作家とは?という4つの要素があると思うけど、今回は書店業界と本を好きな人へのそれを肯定してくれるようなメッセージと、谷原さんの人生の岐路が中心だった。
3作目にもなるとお馴染みの展開などを読者にも予想させるし読後は爽やかだけど、彼らには会えないのかーという気持ちにさせられた。
Posted by ブクログ
完結編なのか!?それともまだ物語は続くのか?
できればこの先の未来を見てみたい、そう思わせる素晴らしいラストだった。耳の中で、シャッターを閉めるガラガラという音、さらば!と京子の声、がはっきりと聞こえてきたような感覚になった。
そして、何より作中作が登場するまで何だか本作は京子の魅力が薄れてしまったなぁ、と感じていたところあえてそのように表現していた事に気付いた時、大どんでん返しのミステリーを読んでいるような錯覚に陥るほど、してやられた!と驚いた。
いやはや、早見さんの構成力、表現力はやっぱりすごい。次は、問題。を読むしかない。