あらすじ
【黄金の魔女の自白。語られなかった空白の2年間を、いま。】
1984年11月29日。その2年後、六軒島連続殺人事件を起こすこととなる、魔女ベアトリーチェは生まれた。黄金と無限の称号を持つ魔女が、一族みなを殺そうとするに至る道筋とは――。原作では語られなかった「空白の2年間」。魔女はどう育ち、何を思ったのか。「Confession of the golden witch」――いま、初めて、魔女がすべてを自白する。
(C)竜騎士07/07th Expansion (C)2014 Kei Natsumi
感情タグBEST3
表紙をよく見ると
表紙をよく見ると思わず「あーなるほど」と思ってしまいました。購入した時は「誰だろう?新しいキャラかな」程度にしか感じなかったのですが、この子がこのような格好をすると、話を理解した今ではすんなり頭に入ってきます。内容も濃いのでおすすめです。ぜひ読んでみてください。
Posted by ブクログ
うみねこの世界のwhyダニットが明らかに。
魔法での装飾なく、現実世界での種明かしをどんどんしてくれる。
原作ゲームやアニメでトリックに置いてけぼりにされた人たちには漫画を読んで欲しい。
(ネタバレあり)
紗音のささやかだけど子どもの頃からの大きな夢、「家族がほしい。いつか大好きな人と結婚して子供を産んで、本当の家族をつくりたい」。
しかしその思いとは裏腹に、紗音の体には二次性徴が来ない。
実は男の子だったという話だったと思ったら、事態はもっと複雑だった。
今度は男の子としての人生を歩もうと嘉音を作り出す。
ジェシカやマリアとも仲良くなり、譲治とも新しい恋をして、順調な生活を始められると思いきや・・・
碑文の謎を解いてベアトになった紗音。
そこで紗音が知る残酷な真実。
戦人や譲治とも近親婚で結婚できない、そして、紗音は崖から落ちたケガで子供の作れない体になっていた・・・。
紗音は、大好きな人と結婚することも、子どもを産むこともできないのだった・・・。
紗音の悲惨な運命は辛すぎる…。
紗音と嘉音のいう「自分たちは家具なんだ」という言葉の意味がこんなに重いとは。
ジェシカが嘉音のことを気になると知った紗音。
嬉しさとおぞましさが混然一体となって押し寄せ、譲治とジェシカに同時に愛され、紗音の心はどんどんゆがんでいく。
真実の自分を受け入れてもらった経験がない紗音は、誰にも話すことが出来ず、どんどん心が苛まれる。
そのような最中、6年ぶりに戦人が帰ってきて、「初恋」の紗音まで現れ、紗音の心は壊れていく。
『しがらみだらけのこの肉の器から解放されて みんなと魂で結ばれることができたら・・・』
ふと思った紗音の突飛な考え。
しかし、不幸なことに、紗音にはそれを可能にする道具と手段があった・・・。
ベアトの犯行の動機がすごく説得的。
一家心中のことを聞いた源次が、紗音の心の痛みを知り、最期まで仕えると答えるシーンはすごく切なく、良いシーンだ。
親族を皆殺しにしたい、だけど、大好きな人たちには生きていてほしい、という相反する感情。
だからこそ、こんな惨劇を起こしておきながら、ベアトは「解いて欲しい」と思い、実際に解かれたら無抵抗だったのだね。
惨劇の元凶はベアトだけど、あの惨劇を防ぐことは皆に出来たはず。
黄金郷だからこそ、お互いの過ちを認められる。
皆の願いは、縁寿に生きてほしい、ということ。
whyダニットを解き明かす素晴らしい巻です。