あらすじ
夏休み、高校生の千春は、父親の実家でお盆をすごすことになった。
到着早々、伯父さんから、最近おばあちゃんのようすがおかしいと聞かされる。
そんな折、海外にいる従姉の出産に立ち会うため、叔母さんが数週間、家をあけることになった。伯父さんは、おばあちゃんの面倒をだれかに頼もうとするのだが、みんな、首を縦に振ろうとしない。
「千春ちゃんは?」
おばさんが問いかけた一言に父親が返事をした。
「ちょっと無理じゃないか?」
勝手に決めつけられ、むっとした千春は、おばさんにむかって答えた。
「いいよ、わたしは」
千春の成長を描く物語、高校生編。
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Posted by ブクログ
『たまねぎとはちみつ』シリーズ第3作。
千春は高校二年生。
あいかわらず引っ込み思案で、争い事が苦手。
高校は帰宅部だが、それなりに楽しく過ごしているものの、取り立てて好きなものややりたいことがないことに引け目を感じている。
そんな千春が、夏休みのひとときを祖母と過ごす。祖母の話をたくさん聞いて、不自由だった若い時代に思いをはせたり、洋裁を習ったりする。そして、祖母のところに出入りしている小学生男子ヒナタと知り合い、仲良くなる。
千春は、小学生の時に知り合った「おじさん」を思い出し、祖母がヒナタにとってそういう信頼できる大人だとしたら嬉しいと思う。
また、祖母に無理やり夢や目標を持たなくても、時間がたつうちにわかってくることがあるのではないかと言われて、目が開かれる。
やっぱり、親や教師とは違う、信頼できる大人の存在は大きいと思う。
こうなると、大学生の千春も見たくなる。もう児童書じゃないか。