あらすじ
「ぼくはそのとき思った、どうやら考え方を根本から変える必要があるようだ。ベンチャー経営者として過ごしてきたそれまでのように、いかに会社の業績を伸ばしていくかという発展的な考え方から、いかにきちんと後始末するかという考えに……」(本文より)
アスキーと提携したインターネット接続無料サービスの展開で一躍脚光を浴びたベンチャー企業、ハイパーネット。ビル・ゲイツが注目し、ニュービジネス大賞を受賞、米国での株式公開を控えた同社が、なぜ1年後の97年末に自己破産したのか。銀行の過剰融資、貸し渋り、経営判断のミス、そして……。一瞬の成功から倒産までの過程を、社長自らが実名で詳細に綴る告白ノンフィクション。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
以前から気になっていて、手に汗握るストーリーですね。ネットバブル時代のスタートアップの名著とも呼ぶべきかと。
マイクロソフトの成毛さん、古川さん、アスキーの西さん、docomoの夏野さんなど今でこそ著名な方々の若かりし頃が名前付きででているのですごい時代だったんだろうなと改めて思います。まさか夏野さんが副社長をしていたことも知らなかったです。
「終われもの」とあわせて読むと、あらためて社長業は、「人」と「お金」に右往される職業であり、慎重にならないとなと考えさせられます。
Posted by ブクログ
起業を目指すなら必ず目を通すべき書と感じた。
特に会社がどういった経緯で倒産していくのかが、生々しくリアルに記されており、こうした経験談から得られる学びは、成功談よりも遥かに有意義なものだと感じた。
Posted by ブクログ
良書。
読んでいて緊張感がある上に学びも多い。
新しいアイデアが事業になり、それを成功させるための様々なプロモーションや提携、マーケティング活動が生々しく描かれている一方で、金融改革といった外部環境の前には太刀打ちできなかったこと、内部である自社組織を蔑ろにしてしまった失敗談の描写のコントラストが心に刺さる。
時代の波に踊らされたと言えばそれまでだが、その波に乗って踊れる人間はごく僅か。波から落ちない人間ではなく、落ちたとしても這い上がれるだけの力を持っている人間こそ挑戦すべきだと考えさせられた。
起業家と経営者は求められる能力が異なるというのは、言われてみればそうだが、気づけていない視点であった。
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ハイパーネット板倉社長の壮絶な起業物語。
このような生々しい失敗事例は中々表に出てこないので、貴重な1例としてとても興味深かった。
ストーリーの中で、孫正義氏やビル・ゲイツ氏、若き日の夏野剛氏まで出てきて、「こことここが繋がっていたんだ!」という驚きもありながら、あっという間に読み切ってしまった。
Posted by ブクログ
資金繰りの重要性が学べる一冊。意思決定者であり、0→1を生み出す役割にあった社長が資金繰りに翻弄されて、hン来の役割を果たせず倒産まで追い込まれるまでの記述のリアルさを疑似体験できた。
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並の小説より余程面白い。このベンチャー社長らしい傲岸不遜さこそ、冒険潭の主人公に相応しい。結末が判っていても、次々と起こるイベントの数々に踊らされる。特にビル・ゲイツとの会議(破滅の序章)、終盤の銀行の掌返し(リアル大和田常務)のくだりは抜群に面白い。
恐怖の経営本
南場さんの著書 『不格好経営』内のヘッドハントで「この本を読んで、心が躍ったら来てくれ」という言葉が出てきたので興味が出て読んでみました。
当時の板倉雄一郎氏の会社のスピード感がそのまま文章になっているようで、一瞬で引き込まれ、一晩と少しで読み終えました。
スピード感に流されて、頭の整理が追いつかないまま読み終えて感じたことは ”恐怖”
確かに心は躍るけれど、絶対その場に身を置きたくない。
バットエンドが決定している本なので、いつ終わるのかということを頭に置きながら読むこの本は、さながらホラー映画に近い。
本来なら経営の失敗を学ぶ本のはずだけれど、自分に置き換えるのが怖すぎて学習には使えず、単なる恐怖のエンターテインメント本になってしまいました。
しかし、面白い!
そして、時流に乗った会社の経営者などまっぴらごめんです!!
しかし、今の時代にこんなヌルいことを言っている自分は大丈夫なのだろうか・・・?
Posted by ブクログ
これは、面白かった!
南場さんの「不恰好経営」に紹介されていて、茂岩さんが参画する際の、こんな本読んでみてワクワクしたのなら来なよ、のシーンの本。
90年代半ばのベンチャーブームとインターネットの走り、15年近くたった今だからこそ振り返られる、当時としてはもの凄いビジネスモデルだったんだろうな、と。
97年に自身の破産も踏まえながら、時代の流れを予言している。
確かに経営者として問題は複数あったかもしれないが、時代に果敢に挑戦し、先駆けとなって散っていった本として、かなり面白い本です!
Posted by ブクログ
ハーバードのケーススタディのように多くの気づきや学びを得ることができます。本書の中でいくつもの「決断」がありますが、自分だったらという視点で読むといいと思います。一番印象に残ったのは日々の業務に追われ、経営で一番重要な「ヒト」のケアを怠ったのが失墜の始まりだったという点です。
人生にもビジネスにもタラ・レバはないが、もし当時の金融情勢が違っていたら倒産はなかったのではと思ってしまいます。これから起業を目指す人には絶対にオススメです。
Posted by ブクログ
1990年代にハイパーネットというネット広告を軸にした会社を興した起業家・板倉雄一郎氏の自伝的著書。板倉氏が20歳の頃から始まり、ハイパーネットの栄華〜倒産までが事細かに記されている。97年12月の自己破産からわずか10ヶ月後に出版されたということもあり、当時の状況から板倉氏の心情まで臨場感豊かに語られており、物語としてシンプルに惹き込まれた。残酷で生々しい倒産の物語をここまで細かく本にした理由を、板倉氏は「失敗のケーススタディ」として活かされるためとしている。その目的通り、四半世紀がたった現在でも学べる部分は多い本だった。
Posted by ブクログ
私も使っていたHot Cafeの社長板倉さんの本
生生しいベンチャー企業社長としての苦しみ、裏切り、高揚感、はたまたビルゲイツとの出会い等々、一冊の本の中にジェットコースターのような凝縮された時間が詰まっている。
なんでも手作り、手探りだったインターネット黎明期の雰囲気を感じるにはとても良い本
一回読んでいきましょう
Posted by ブクログ
とても面白かった。
まず、文章がうまい。小説を読んでるかのように読み進められる。
あとバブルの残り香(経験してないけど)みたいなのがして、なんだかタイムスリップしたかのうな感覚になった。
Posted by ブクログ
目的: 会社経営において重要なことを学ぶ
結果: ベンチャー経営のおもしろさとそれに伴う大変さ、そして経営が傾き出してからの周りの変化と、資金繰りの難しさ等の話が包み隠さず書かれており、内容全体を通して学びがあった。
ベンチャーを設立してから、倒産するまでに、どう言うことが起こるのか、必要なことは何かを理解できるので、ベンチャーを起業しようとする人には必読の書かと。
★気付き・学び
1.中小企業における全従業員との密なコミュニケーションの重要性
著者が考える失敗の要因の1つに、米国での事業展開に注力しすぎ、社内の人間とのコミュニケーションが疎かになり、無理難題を与えた時に従業員一人一人が、著者である社長の意図を理解できなくなり、理想通りに動いてくれなくなったことがあるとのこと。
中小規模での会社経営においては、やはりこれが大切であると再認識した。
2.資金繰りの重要性
事業を拡大しようと思えば増資や借入をせざるを得ない。
ベンチャーにおいて、この資金繰りがいかに経営の中で大きなウェイトを占めるのかを理解することができた。
現場ではPL/BSだけでなく、キャッシュフローがかなり重要だと再認識した。
Posted by ブクログ
どの選択肢が正解なのか、時間が過ぎなければ分からない。自分ならどう決断を下すのかを考えながら読んだが、それだけでもものすごいプレッシャーを感じる。本書を読んで、社長として会社を切り盛りしていくのには、何かを生み出すという閃きの才能だけでなく、経営者として会社を運営していく力量が必要なのだと改めて感じた。板倉氏は終始お金の心配をしていた。しかし、大金を手にするにつれ、私生活が派手になっていく様子を見て悲しくなってしまった。
Posted by ブクログ
少し前に流行った、ハードワークスの日本版。ただしこちらの方が古く、少なくともこの本の中ではハッピーエンドではない。前評判なしで読み始めたので、著者がどのような人物かも知らなかったが、いまや当たり前のデータベースマーケティングに90年代に着手し、独自の人脈を切り開きながら事業として展開したスゴイ人だった。ベンチャーブームと貸し渋りという外的な変化は個人で制御できるものではないが、不確実を踏まえたリスクヘッジの大事を学ばせてもらった良書。ちなみに著者はその後、企業家として復活しているとのこと。
Posted by ブクログ
無料インターネット接続サービスHotcafeの考案者にしてハイパーネットの元社長板倉雄一郎氏の創業から倒産、自己破産までの壮絶な舞台裏。自分の失敗に意味を見いだそうとする氏の苦悩が読みとれる。
私自身も当時Hotcafeユーザーで、当時のインターネット黎明期の時代性を肌感覚として知っているので、この回顧録にどんどん惹きこまれていく。
この回顧録は、「もし自分が板倉さんの立場だったら、この失敗を予見して、回避することができたのだろうか?」という視点で読み進めると非常に勉強になる。
Posted by ブクログ
★分量の多い本だが一気に読めた。前半はアイデアが溢れ出る感じで爽快、会社倒産の話なので不謹慎ではあるが面白かった。失敗の原因は不確実なものに投資しすぎた、借り入れしすぎた、自前でやるには事業が大きすぎた、先行者利益を得ようと焦りすぎた、といったところか。著者は時代背景による銀行の方針の変化に踊らされたように感じていたが、思ったほど業績が伸びなかったのが痛かったのでは。というよりネット広告市場で一番のシェアを取ったのだからある意味成功したのに、市場予測が高すぎたのである。結局はコンティンジェンシープランがなかった、ということではないか。楽観的な予想に頼って次善策を用意しないとよほど運が良くないと失敗する。
Posted by ブクログ
面白い。
会社潰す経験なんて出来れば御免だからこそ、疑似体験しておきたい。
良質な反面教師的ケーススタディ。「自分ならどうするか?」を考えながら読むとなお有益。
Posted by ブクログ
IT分野における起業のスピード感、栄枯盛衰が伝わってきて非常にエキサイティング。
時代のながれもあるが、起業分野、戦略、駆け引き、そしてやはり人脈による引きの強さを思い知る。
起業する気がなくても良い気分転換、刺激になる。
Posted by ブクログ
リスクヘッジをしないでリスクの高いギャンブルにはまりすぎて失敗してしまった印象。確かにITはスピードが必要な業界で融資は必要かもしれないけど限度があると思う。ITバブルは銀行の積極的な融資が引き起こしたようにも思えた。
Posted by ブクログ
最後のほうで「これだけの人に損害を与えたんだから、罪は重いよね」という記述があるんですが、とても違和感があります。
儲け話に乗ったところ、ポシャっちゃった、ってだけの話なのでは、と考えるからです。
もちろん、本のタイトル通り、社長失格のような経営もあったかもしれませんけれど、それも含めての投資、のような気がしますね。
起業を志す人は一読するとよいかもしれません。
いずれにしても、今はネットでお金を集めることもできる時代になりました。銀行屋がデカイ顔をしていられるのもそう長くないかもしれませんね。
払ってもいい金額:1,200円
Posted by ブクログ
経営者、経営者になりたいかたのみオススメ
・起業の興奮、倒産の過酷さを味わえる一冊
身の引き締まる思いで読みました。勉強になりました。
読むと、起業なんて危ない橋は渡らないようにしようとなるかも。
Posted by ブクログ
非常に面白かった。自分も規模や立場はことなるが、ある意味同じような状況で試行錯誤した経験をもっていたので、共感がつのったと同時に、一つ一つの転落エピソードが笑えるくらい同じで、びっくりした。板倉さんは、魅力的な人間で、人たらしなんだろうな。期待感をもたせてしまうため人や金が集まってしまう。ただ、それに知らず知らずのうちに甘えてしまい足下をすくわれていく。さらに、コロコロ変わる金融業界の都合と重なる。人も金も離れていき、自信もなくなる。金だけでなく色んなものを失ってしまう。ひとごとではない。教訓にとんだ良書。
Posted by ブクログ
時代にのったかにみえたベンチャーが潰れるまでの体験記。その場面場面で考えたこと感じたことがとても正直にリアルに描かれています。面白い!
Posted by ブクログ
池井戸潤の小説で、銀行の立場からの貸し渋りやらそういうやりとり、銀行の立場上の苦境はだいぶ読むが、こういったベンチャー起業の社長が最終的には自分のせいだ!と言ってはいるが私は読んでて銀行の厳しい取立てに際してどうも人間身を感じないというか。。。
なんとも、言えない一冊でした。
特にノンフィクションというリアルな社長の言葉だけに胸に迫るものもありました。
にしてもこの人の発明や発見、どんどん湧いてくる発送やビルゲイツと渡り合うやりとりなどは、日本のベンチャービジネスの中にいる大物とはこういう人のことを言うんだろうな。。。
と。あまりの頭の作りの違いに驚かされます!!!
Posted by ブクログ
生々しい。この本は日本のネットベンチャーの最初期の段階に脚光を浴びた経営者が、マーケティングや財務戦略の失敗から最終的には自社の破産と自らの自己破産に至るまでを克明に描いた自伝である。
とにかく表現が生々しいし、文章の読みやすさも相まって一気に読んでしまった。NTTドコモのimode成功の立役者であり、現在はドワンゴで活躍する夏野剛氏が経営に参画するシーンや、ネットバブルの流れの中で成功を謳歌し、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏がわざわざ会いにくるシーンなどはこちらもワクワクさせられる。一方、後半の転落にかけてのシーンは、0から1を作るアントレプレナー気質はあるが、1を10にするマネジメントを行う経営者気質が自分にはなく組織を殆ど顧みなかったことが、チームの結束力を弱めたという自己認識と、ネットバブルで楽に銀行からの融資を受けられた状況がバブルの崩壊により各行から一気に返済を迫られたという外部環境の変化に対する認識に基づき、息を付かせぬシーンが続く。特に、銀行や債権者からの返済圧力はすさまじく生々しい。
結局のところ、著者の自己認識にあるように、アントレプレナーとしての気質と良いマネジメントを行う経営者気質は、万人に両立するものではないし、永続的な企業の発展は組織マネジメントにあるという極めて真っ当な点を、改めて教えてくれる。
Posted by ブクログ
ハイパーネット社の元社長の書いた本。南場さんの不恰好経営の中に出てきた本だったので、読みました。
ITバブルの絶頂期に至るまでの過程と、失敗におちていく過程のつらつら本。「大学は受かったら、もう行く意味がない」という判断をされたり頭は非常によい、という印象を受けましたが、全体的に自己顕示欲が強く出ている本。
銀行の貸し渋りによる不渡り。株主、取引先(アスキー等)との関係性などは本当に赤裸々に書かれているので、企業欲のある方は一度読んでみたほうがよいかもしれません。
Posted by ブクログ
まず読み物として面白く結果は倒産と分かっているものの内容に引き込まれて読み進められる。
社長としてなぜ倒産の道へ向かったかを企業から細かく描かれており、また本人や登場人物の人柄も見えてきて面白い。
Posted by ブクログ
南場さんの書籍不格好経営にて、茂岩さんに読むよう勧めていた書籍。1980年代のITベンチャー社長である板倉雄一郎さんが著者。まさにITベンチャーの社長というような感じで、仕事に熱心に取り組む傍ら自信家であり、女遊びもかかさない。高家賃の家に住み、高級車を所有する。本書では、「人」と仕事をすることと「会社」と仕事をすることの違いを肌で感じることができた。