あらすじ
第25回本格ミステリ大賞[小説部門]受賞作家の意欲作!
投票していただけますか。
彼を父と認めるか、否かを――
カリスマ経営者として多くの人に愛されていた森栄莞爾。
だが彼は、精子提供で105人もの子供を作っていた。
そのリストが出回ったことで、自分が莞爾の子供だと知った健太は、他のきょうだいたちと出会い、ある提案を受ける。
「莞爾を父だと認める声明を出してほしい。全会一致の場合、1000万円を支払う」
育ててくれた人と、遺伝子が繋がっている人。
あなたは、どちらを《父親》と呼びますか?
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Posted by ブクログ
面白かったー!
けど、結局1000万はもらえないのかな…?鹿島くんにはあげてほしい。あの健太の結論にはまぁ納得だけど大金はそんな簡単に諦めつかないよね。
健太目線なので最初はごく普通の青年と思って読んでたけど、一番莞爾の遺伝子を色濃く継いでたのが彼だったんだろうな。めちゃくちゃ人格者の育ての父へのわだかまりとか、他の11人への情とか、所々共感できないなぁと思いながら読んだ。でも莞爾の同じ人種と思えば納得。
Posted by ブクログ
十二人の怒れる男をモチーフにした作品はたくさんあるので、何となく議論して意見がひっくり返っていくのかな、というくらいの感覚出読み始めた。
元々興味のある分野で、精子提供だけではなく特別養子縁組とか、まだまだ歴史が浅いので、当事者が大人になり子どもや孫をもつ年齢になったら、出自を知る権利について、どう感じるのか知りたいと思っていた。
議論を重ねる中で変化していく主人公や兄弟たちの心情も、育ての親の健一郎の言葉もとても興味深かった。今後も正解なんてないだろう。
逸木さんのミステリは、ともすれば軽いテンポで進められる設定なのに、内面にうずまく言語化できない感情とか、深いところまで描いているなぁといつも感心。
装丁とか文章量がライトミステリ風なので、通勤片道で軽く読もうなんてうっかり始めると、濃厚で大変なことになり、大概その繰り返し。
今回もミステリとしてのオチは途中で見えるところもあったけれど、それを差し引いても一つのテーマとして重厚な作品だった。
Posted by ブクログ
カリスマ経営者として愛されていた森栄莞爾は、精子提供で105人もの子供を作っていた。彼の死後、彼らのリストが流出し、そのうち12人が、莞爾の友人にしてビジネスパートナーの支倉によって集められる。
莞爾を父親と認める声明を出してほしいという支倉の要請を受け、12人は話し合うことにする。
なぜ莞爾が精子提供をしたのかが問題だが、とことん利己的な理由だったのでむしろ納得。
Posted by ブクログ
途中までは良かったんだけど、最後で失速。主人公の出した結論が相容れなかった。
12人の怒れる男のオマージュかと思うような、番号振られた12人で可否の投票。全会一致が条件。リーガルミステリー気分で入ったが、主人公の頭が硬過ぎて脱力。そこ含めての遺伝によるものは何より強いの主張になるのかな。
ドナー云々で、あ、善人に見せかけてこれはダメなやつだと思ったら案の定。清水玲子さんの「輝夜姫」ではないですか!!活用まではしてないけど。
Posted by ブクログ
さもありなんという結末。12人の怒れる男とカズオ・イシグロが脳裏よぎる。クローンでないのが、救いなのか?健太の思考にもついていけない、めんどくさい甘ったれ。「父とは何か」追求もいいけど、育ての親に感謝。は親に苦労してないから?
Posted by ブクログ
AID。父。本当の父。血のつながり。森栄莞爾。息子。二人。105人。精子提供。腎臓。ドナー。
父は幻想?血はそんなに濃い?
三ツ橋健太。父の健一郎。父?個人的には健太の思考は好きになれない。
Posted by ブクログ
大手ビジネスホテルチェーン<ラ・フォレ>の創業者である森栄莞爾は生前、精子提供によって105人もの子供を作っていた。そのリストが漏洩したことで、そのうちの12人が<自助活動>と称して集まることに。「森栄莞爾を父として認める」ことへの賛否をめぐり、12人の心理戦が始まる。
『六人の嘘つきな大学生』を彷彿とさせるようなミステリで、テンポのよい会話劇に引き込まれるようにして一気に読めた。
森栄莞爾の真の目的は、腎臓を患う<本当の子ども>に臓器提供をさせることであった、というラストは既視感のあるものという気がし、大きな驚きはなかった。
ほとんどがすでに大人になっている12人が、数週間のうちにこんなに何度も集まり、「血が繋がっている」ことでなんとなく親密になっていくものかというのも疑問。非配偶者間人工授精(AID)によって産まれた子どもたちは、どうしようもない苦しみを一生抱えて生きていくのだ、ということが根拠になっているようだが、12人それぞれの「苦しみ」についてそれほど具体的に言及があるわけでもないので、やや漠然とした印象に終わってしまった。
日本ではかつて複数の施設でAIDが行われ、それによって産まれた人は2,000人以上にも及ぶと考えられていること、その多くはきちんとした統計なども取られず、当事者たちは「出自を知る権利」を行使することもできないということ、は初めて知った事実だった。