あらすじ
日清食品社長・安藤徳隆氏、初の著書!
なぜ日清食品のCMはクセになるのか、
なぜ日清食品はいつも「ユニーク」でいられるのか、
そして、なぜ「最適化栄養食」の事業に挑まなければならないのか。
マーケティング、新規事業、自らの原動力、3代目としての覚悟……
躍進の中心にいる新世代の経営者が自らの思いを包み隠さず語った!
伊藤忠商事 会長CEO 岡藤正広氏・クリエイティブディレクター 佐藤可士和氏 W推薦!
創業者の安藤百福がインスタントラーメンという世界の食文化を創造し、2代目の安藤宏基が「カップヌードルをぶっつぶせ!」の精神でグローバルカンパニーへと成長させた。
3代目の安藤徳隆は築き上げたものを破壊するかのごとく、日清食品を新たな次元へと導き始めている。
今の日本企業が目指すべき"非連続な成長"の答えが、ここにある。
――伊藤忠商事 会長CEO 岡藤正広氏
「デザイン経営」が大事だと言われて20年近く経つが、それを実現している企業は世界でも数少ない。
安藤徳隆さんは、クリエイティブを本気で経営の真ん中に置いている、日本でも稀有な存在だ。
普通のことを普通にやらない。でも、すべてがブランディングに紐づいている。
だから、日清食品は面白い。
――クリエイティブディレクター 佐藤可士和氏
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Posted by ブクログ
どんな事でも自分で「デザインする」という意識・視点にとても学びを感じました。
特に4章の『原点と拡張』はとても面白かった。
食堂の改修ひとつをとってみても、従業員の意識を変えるための仕掛けを施した食堂にする。
それは会社の方向性に沿った形になるように従業員をデザインするようなイメージ。
一石二鳥はなく三鳥にも四鳥にもするような考え方。
自分は仕事をどのようにデザインしようとしているのか、どのようにデザインすればもっと仕事が面白くなるのかと考えるよいきっかけになった。
他にも「あのcmはそんな意図があったんだ」「カップヌードルミュージアムのオリジナルカップヌードルって工夫があったんだ」という場面もあり面白かった。
やはりそれだけ日清は自分の身近にあるんだなとも改めて実感した。
面白い一冊でした!
Posted by ブクログ
自分の仕事を楽しめる会社
事業や商品にとどまらず、会社という組織やそれを構成する人の考え方もデザインしていく。これが安藤徳隆流経営の根幹にある。
社員が日々、成長を感じられる会社にしたい。日々の仕事で自分は成長できるというマインドセットを持てる雰囲気にしたい。その思いはとても強いです。
じゃないと続かない。だって仕事って普通は面白くないですよね。創業者(安藤百福氏)は「仕事を戯れ化せよ」と言いましたが、やっぱり自分の仕事を楽しめる会社にしなくちゃいけない。
仕事を楽しめるとはどういうことかというと、成長を感じられるかどうかだと思うんです。「あれもダメ、これもダメ」じゃなくて、「それ、面白いからやっちゃおう」と挑戦ができる社風は、会社として絶対に強みになる。
そして社員の挑戦を促す原動力は、「面白い」だけではない。徳隆氏はこ
う語る。
やっぱり自分の仕事がどう世界に波及しているのかを体感しないと、
自分の中の「報酬系」は回らないですよね。
「報酬系」。徳隆氏はしばしばこの言葉を口にする。言い換えると、「自分が手掛けたことについて満足感を得て、次のチャレンジへの意欲が生まれるサイクル」といったところだろうか。脳科学の分野では、仕事に対する報酬のような働きをする神経系を「脳内報酬系」と呼ぶ。人にとってのやりがいの源泉とも言えそうだ。
どのように満足感(=報酬)を得るかは人によって異なる。社内外で話題になることを喜ぶ人もいれば、自分の中の物差しで自分の仕事の出来栄えを評価する人もいるだろう。そうした中で、世界にどれだけのインパクトを与えているのかが特に大事になるというのが徳隆氏の考えだ。
自分の仕事を通じて、つまり食に関する仕事を通じて、世界をもっといいものに変えられているか。それを体感できるように整備してあげないといけない。
何のためにこの仕事をやっているのか分からないとか、この仕事はもうかるけれど人にも地球にも優しくないとかではダメなんです。そこにストーリーが必要になってくる。
人にも地球にもハッピーなことをやっている。それをつくり出す仕事はとても楽しい。そして自分自身を成長させてくれるー。そこまで思えるような状態になったら最高ですよね。どれだけ多くの社員にそういうふうに感じてもらえるかが経営者にとって重要だと思っています。
まじめに考えすぎる必要はないんです。どうやったらそういうストーリーを示せるか。世界をいいものに変えられるという雰囲気をどう演出するか。そこに知恵を絞る。
ただ、僕の仕事の中でなくならないものもあります。日清食品は「ブランドマネージャー制」を敷いてブランド同士を競わせている。その仕組みを続ける限り、それぞれのブランドグループが自分たちの売り方やブランドイメージに合わせて提案してくるわけです。
それを全部同時に見て、日清食品としてどう収めるかを判断する。
「これは面白いけど、僕らが考えているビジョンに沿っていない」みたいな判断は社長がしなければいけない。そういう「整える」仕事は絶対に残ると思っています。