【感想・ネタバレ】神さまショッピングのレビュー

あらすじ

夫にも誰にも内緒でひとりスリランカへ向かった私が、善き願いも悪しき願いも叶えてくれる神さまに祈るのは、ぜったい誰にも言えないあのこと――。神楽坂、ミャンマー、雑司ヶ谷、レパルスベイ、ガンジス川。どこへ行けば、願いは叶うのだろう。誰もが何かにすがりたい今の時代に、私のための神さまを求める8人を描く短篇集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルを見てまず「どういうこと?」と思いました。
納得いく診断を求めて医者を渡り歩くことをドクターショッピングといいますが、その行動になぞらえて納得いく(?)神様を求めてあちこち行くことを本書ではそう呼んでいるということのようでした。なるほど。

全8話の短編は全て世界のあちこちへ神様を求めて行くお話。その動機や場所や神様はそれぞれだけど、やむにやまれず求めに行くのは同じ。
信心深くなくとも神様なんて信じてなくても、生きてたら何かにすがりたくなることはままあります。そういう時神様は確かに都合がよい。
寄りかかることもお願いすることも非難することもできる存在ってそうそうない気もするし。

本書を読むと「そんなところが世界にはあるのか」というようなところも出てきます。落ちそうで落ちないぴかぴかの岩とか。
話は創作だけれども出てくる場所はきっと本当にあるところなのではと思いました。確認したわけではないんですが、角田さんはものすごく海外を旅してこられた人だから。

神様に祈るその願いが欲そのものであるのは誰しも当然としても、それぞれの短編の主人公たちが願う願い事の内容が、ほとんど人には言いたくないような、あるいは絶対に言えないような後ろ暗いものが多いところが、とても面白さを増しているポイントのように思います。
清々しくないのがいい(笑)
人が普段直視したくないところを微細に描き出すのが本当に手練れ。

「モンゴルの蓋」が好きですね。
でも気持ちがよくわかるのが「絶望退治」かなぁ。切りたくても切れない縁というものに自分も悩まされてきたので本当にその絶望感よくわかる。「聖なる濁った川」は作中にも出てくるけれども遠藤周作先生の「深い河」を思い出します。ガンジス川に頭まで潜ったあと熱出したと書いてたのはどの作家さんだったろう?などと思い出しつつ日本人にはハードル高いなと思いました。信仰の力があれば潜れてしまうのだろうか…。

全部創作というわけではなくて、どれか一編や二編くらいは全部本当に角田さんが体験した実話なんてはないか、なんて思ってしまうほどそれぞれに描かれた心情はリアル。充実の読後感でした。

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2026年07月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 角田さん、久しぶり~。この引きずり込まれる文体、懐かしいです。
 インドなどの海外の神様詣で、自分は行きたくないと読者に思わせてしまうなんて、ある意味凄いです。
 還暦間際の夫婦が出てきますが、いろいろと重ねあうところが多くありました。そして、自分の中にあった黒歴史も思い起こしてしまい、夢見が悪くなってしまったではないですか。こんなに影響力のある作家さんはあまりいないですね。図太い私でもこうなのですから、前に「坂の途中の家」を人に貸したときに、「怖くて読めなかった」と返されたのも納得です。

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2026年02月27日

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