あらすじ
50社以上の起業や事業開発、投資育成の現場に直接参画してきたマッキンゼー出身のキャピタリストが、日本の会社とビジネスマンに満を持して説く、本気の会社改革のすすめ。
ここ二十年を超えて日本国家と日本の優秀な会社と会社人たちが見失った「ホンモノの三種の神器」を、本気で取り戻して会社改革をしようという挑戦でもあります。
ここで言う「ニセモノの三種の神器」とは、「選択と集中の戦略」、「中期経営計画の信奉」、「顧客第一主義」。この二十年以上、経営戦略の基本中の基本とされてきた三つの柱です。
えっ? それってどういうこと?
本書では、それら「ニセモノの三種の神器」のニセモノたるゆえんを暴き、ホンモノへの道を示します。
ただ、本書は、著者がプロローグで言っているように、経営陣や経営コンサルタントたちだけのための本ではありません。むしろ、そうではない人たちのためのものです。なぜなら、会社を変えるのはやはり一人ひとりの「個人」だからです。
著者曰く、「その個人がフォーマルな(つまりカチッとできあがった)会社の枠組みを(気持ちの上で)ぶっ壊して、ナナメヨコにつながるインフォーマルな(つまり原始的な好き嫌いのお付き合いの)組織(のような集まり)で、根こそぎ会社を変えていくのである。」
これまで、多くのビジネス書をお読みになってきた方々には、ある意味、爽快&痛快な、目からウロコの、まったく新しい視点を示してくれる、大きな分岐点の本となることでしょう。
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Posted by ブクログ
著者の主張の骨子は、「変化が3年先が見えない昨今、3年計画を立てて進める方式に意味はない。」ということ。
また、言葉として、「CRM」は「顧客のいうがままをとりこむことではなく、(あくまでも)顧客に自社にとって有意義な振る舞い(購買行動)をしてもらうこと」ということだった。
「選択と集中」という言葉を取り違え、企業のトップマネジメントが計画作りに会社のリソースを長期間投入するのは無駄、と言い切る点はとても愉快。
トップマネジメントが全社に伝えるべきは、あくまでも方向性を示す、「経営理念や未来への魂胆」という発言には、つくづく同意。
ぶれた発言をするトップへの信頼なんて、存在するわけないね。
Posted by ブクログ
企業の参謀は優秀なのが一人で良い、あとの参謀まがいの人間を作ると官僚が仕事を生み出すように、仕事のための仕事を生み出す、(パーキンソンの法則)という話が紹介されていて、ちょっと共感した。だからといって処方箋はこの本には書いていないのだが。。。。。