あらすじ
高校2年生の道田奈央は、バスツアー中に立ち寄ったパーキングエリアで、ねぎまきを頬張る少年に出逢う。どこか哀しげな眼差しに惹かれるも、名前をきくことすらできずに別れてしまった。その数日後、学校帰りの図書館で偶然再会を果たす。少年は磐田陸と名乗った。奈央は陸と会う機会を重ね、順調に距離を縮めていく。しかしある日、幼なじみで親友の千恵里に彼の写真を見せると、驚くべきことを告げられ――。
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Posted by ブクログ
青春でハートフルな内容かと思いきや、
自らの過ちに目を向けていく作品。
誰しも一度は過ちを侵したことがあるはず。
しかしその過ちと向き合うことのできた人はどれくらいいるのだろうか。向き合い、謝り、縁を結び直せる人はどれくらいいるのか。
恐らくそう多くはないと思う。
それに、過ちを侵したとしても気づかなかったふりもできる。
しかし過ちを認め、相手と向き合おうとした奈央は強いこころの持ち主だと思った。過ちを許す、と決めた睦生も強くやさしい人である。そしてこの2人のすごいところは許し、許されて終わりではなくその後を描こうとするところだ。過去に何があっても、未来に目を向ける姿勢が素敵な人物たちだと思った。