あらすじ
戦後、未曾有の国難の中、吉田は首相就任を引き受ける。占領政策の中心を担ったGHQ民政局とは、権謀術数の限りを尽くして渡り合い、最後には、マッカーサーの頭越しに、米国務省と講和の交渉を始める。そして、1951年、サンフランシスコ講和条約に調印。“史上最強の宰相”を、エピソード満載で描く!(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
年越す前には読み終わった。
一つ前に読んでた「二つの祖国」(山崎豊子)と時代がかぶってることもあったし、細かいところまで、描かれていてとても読みごたえがありました。
敗戦し、占領されたところから、独立へと導いた吉田茂の運の良さとそれを上手く自分のストーリーに持ち込むところの外交力は素晴らしいと思った。
今の日本があるのは、様々な偶然と独立を目指した吉田茂がいたからこそなんだど、すこし感慨深げに思いました。
Posted by ブクログ
「この国が、国民の顔色をうかがって媚を売る政治家に、(中略)吉田茂というポピュリズムの対極にいた政治家について考えてみることは意味のないことではあるまい。」本書より抜粋 。
Posted by ブクログ
吉田茂については名前くらいしか知らなかった。「震災以降、吉田茂がいま人気だ」というのを人からきいて、読んでみることにした。
吉田茂は吉田家の養子で、実父は黒船にのった竹内綱、実兄はダットサンの「T」、竹内明太郎。
誰もが経験したことない出来事を、独自の態度で判断し行動していく。人は大事な局面では開き直りが必要であるが、それには大きな不安とリスクが伴うはずだ。吉田茂は、その開き直りの連続だったことだろう。
私も、大事な局面ではいい開き直りができるようでありたい。
吉田茂が愛した娘、和子は麻生太郎の母である。二・二六事件のころ、茂の岳父、牧野伸顕を体をはって守る度胸のある女性、そして賢い女性だった。
本書、「ポピュリズムに背を向けて」というのは、吉田茂が世間に媚びることなく、自らの信じるところを歩いたということ。
政治家になった、2世、3世は、こういった先人の姿をみてきたのだろうに。「いい人でいたい」「悪い人と思われたくない」という現代人に、その姿を求めることは間違いなのだろうか。