あらすじ
ワンマン宰相と呼ばれ、占領からの早期独立を果たした吉田茂。戦前、外交官だった彼は、ヒトラー、ムッソリーニと手を結ぶ三国軍事同盟に強く反対。最後まで開戦を回避しようと努力する。さらに、戦争中も早期終戦に奔走するが、反東条派と睨まれた彼は、スパイを送り込まれ、ついに憲兵に逮捕されてしまう。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
土佐藩の士族・竹内綱の5男として1978年に生まれ、吉田健三の養子に出され、牧野伸顕の娘・雪子と結婚したことから、実父、養父、義父として3人の男らしい人物の薫陶を受けて後の日の骨のある外交官・政治家として活躍するまでの半生が迫力ある筆で語られている。1916年に寺内正毅首相からの首相秘書官就任要請に対して、「私は首相なら務まると思うが、首相秘書官は務まりません」と断ったという逸話。1931年に新任イタリア大使としてムッソリーニと初対面の際に、最後まで近寄らずにムッソリーニから歩いて近寄らせたという逸話、1945年のマッカーサーのとの初対面でも葉巻を勧められた際に、自らの安価な葉巻を取り出して勝者としてふるまう将軍をムッとさせたという逸話、いずれも気骨を感じさせる「いごっそう」としての面目躍如たる姿を見せられ、痛快!
親英派として、国から警戒され、逮捕までされた。外務省同期の広田弘毅との繋がり、近藤文麿との信頼の深さなども印象的。1944年に米国の駐日大使だったグルーと言う人が国務次官として皇居爆撃による天皇殺害計画に反対し、原爆投下を避けるためにも早く日本を降伏させると動き回っていたという記事は清涼剤だった。