あらすじ
男ぐるいの女がひとり、死の床についている。その名は艶。夫・松生は、かつて妻子を捨て艶と出奔したのだった。艶の危篤を、彼女が関係した男たちへ告げずにはいられない松生。だがその報せは、彼らの妻、娘、恋人、愛人たちに予期せぬ波紋を広げてゆく。平穏な人生に突然割り込んできた女の存在によって、見知った男が別の顔を見せはじめる。一筋縄ではいかない男女の関係を描く恋愛長編。
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Posted by ブクログ
ざらざらと何かが引っかかるような、なんとも言えない読後感を味わうのは初めて。少し前に流行った『イヤミス』とも異なる。
…多分、三十代後半の今だからこそ(うわ、面白い)と思えたのだと思う。
目の前がぐらぐらするような展開は決してないのだけれども、どの章にも不思議な爽快感があった。
個人的には、艶を看取った看護師がすき。