あらすじ
第20回本屋大賞受賞作!
シリーズ累計100万部突破!
あなたと生きる、その痛みごと。
著者2度目の本屋大賞を受賞した『汝、星のごとく』が3年の時を経てついに文庫化!同じ空の下であの星を見上げよう。そして、また出会おう。あまりに切ない運命を、繊細な心理描写で描いた著者最高傑作。
風光明媚な瀬戸内の島で育った暁海(あきみ)と母の恋愛に振り回され転校してきた櫂(かい)。ともに心に孤独と欠落を抱えた二人が恋に落ちるのに時間はかからなかった。ときにすれ違い、ぶつかり、成長していく。生きることの自由さと不自由さを描き続けた著者がおくる、あまりに切ない愛の物語【2023年本屋大賞受賞作】
☆2023年本屋大賞受賞作☆
【第168回直木賞候補作】
【第44回吉川英治文学新人賞候補作】
【2022王様のブランチBOOK大賞】
【キノベス!2023 第1位】
【第10回高校生直木賞候補作】
【ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2022 第3位】
【今月の絶対はずさない! プラチナ本 選出(「ダ・ヴィンチ」12月号)】
【第2回 本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞 ノミネート】
【未来屋小説大賞 第2位】
【ミヤボン2022 大賞受賞】
【Apple Books 2022年 今年のベストブック(フィクション部門)】
などなど、賞&ノミネート&ランクイン多数!
感情タグBEST3
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Homme fatale
ありそうな男女間の意地や葛藤の中でのすれ違い。このまま終わらないだろうけど、どこでどうなる?そしてまさかこう終わらせるの?って感じでしたが、読み終えたあと、ずしりとくる作品でした。個展のメインのタイトルHomme fatale 見てみたいです。そして続編も読みたいですね。
Posted by ブクログ
何度も感情を揺さぶられて後半はたくさん泣いた。どんな時でも思い出すのはお互いで、その度に苦しくなっていくのを早くふたりで幸せになって、、という気持ちで読んでいた。愛と呪いと祈りは似ている。わたしもそんな気がする。
結局いちばんの頑張れる理由は「ここはわたしが選んだ場所」という単純な事実なのだと思う。胸にささった。その通りだし忘れてはいけないこと。
いろんな言葉が胸に刺さって読んでよかったと思えた。続編の星を編むも読みたい。
Posted by ブクログ
ラストの櫂と暁海の再会時のカタルシスがすごい
暁海が特にだが2人とも、序盤は自分本位になりきれないことから、周囲や環境に振り回されて結ばれない
その中で、身の回りの問題を片付けつつ、二人と違うタイプの瞳子さんや北原先生に触れて、暁海が最後の決断をできるようになる
小説としての起伏だけでなく、
現実としても、人に感化されて自分では取れない行動に変わるって素晴らしいと思ってしまう
(だからこそ描かれることが多いのだろうが)
ライフハック的な観点だが、柔軟を大事にして感化されるスペースを残したい
仮に意図的に寄せたとしても、暁海の目から見た世界は素晴らしいに違いない
Posted by ブクログ
家族とはなんなのか。自分にとって大切なものはなんなのか。母親に振り回される2人の男女が惹かれあい、苦しみながら学び生きていくお話でした。いやあー。。。途中まですごくしんどかった。けど読む手が止まらないのはなんでだろう。。
とても面白かったです。
Posted by ブクログ
「月に一度、わたしの夫は恋人に会いに行く」
世間の常識(正しさ)よりも、自分たちだけの幸せ(星)を貫く生き様そのものが、この書き出しの一文に込められていると感じた。
そして、最期の花火のシーンは涙なしでは読めなかった。
Posted by ブクログ
一気読み。東京に行った彼氏が地元、田舎に残った彼女をみて「こんなつまらんかったか、、?」となる感覚等そういった細かーいすれ違いの描写が解像度高く描かれている。リアルすぎて途中しんどくなったけれど、そのリアルさがたまらんですね。あと個人的に北原先生の人間性好きです。
Posted by ブクログ
井上暁海
瀬戸内海の島で生まれ育った。十七歳。女子高生。高校卒業後、今治の内装資材を扱う会社に勤める。瞳子から刺繍を習い、プロの刺繍作家になる。
青埜櫂
京都から島に引っ越してきた。十七歳。男子高生。母子家庭。父親は生まれてすぐ胃がんで死んだ。母親がスナック勤めだったので、ひとりの夜な、漫画の世界に逃げ込んだ。ノートに漫画を書くようになったが絵のセンスがなかった。中学生のころから酒を飲んでいる。十九歳。高円寺のアパートに住んでいる。二十二歳。漫画が売れ出し、金が入ってきて、周りからちやほやされだした途端、流されてしまう。
青埜ほのか
櫂の母親。島で唯一のスナックをやっている。一時たりとも男なしでは生きられない女。京都で知り合った男を追って、瀬戸内の小さな島へやってきた。
あーくん
ほのかの恋人。隣島の造船所で働いている。実家は東北で、震災のあと他県に出稼ぎに出るようになり、京都でほのかと知り合った。船ができて契約が切れたから、家族のとこに帰る。
久住尚人
櫂とは漫画や小説を投稿するサイトで知り合った。好きなシーンを描きたいだけで、物語として組み立てられない。櫂の漫画パートナー。作画担当。櫂よりふたつ年上。東京でひとり暮らししてる。
植木
櫂、尚人が投稿した青年誌の編集者。
暁海の父親
東京からきた裁縫の先生と浮気をしている。浮気が三年目に入った春に家を出て行った。浮気相手の林瞳子と暮らしている。
暁海の母親
志穂。夫の浮気でメンタルクリニックに安定剤をもらいにいく。飲まなかったお酒を飲むようになった。一軒家を改装した『日だまりホーム』に入居する。
林瞳子
暁海の父親の浮気相手。刺繍作家。
佐久間のおばさん
北原先生
暁海たちの高校の化学の先生。島で唯一のシングル・ファーザー。島にくる前は関東の高校で教えていた。
北原結
北原先生の娘。
達也
今治の人。マッチングアプリで知り合ったほのかの新しい恋人。飲食店に勤めている。
佐々木
暁海が働く会社の女子社員のボス。
さとる
櫂の漫画仲間。女の子。
真帆
櫂が遊んだ女。色が白くて長い睫毛。華奢な肩にかかるハイライトが入ったアッシュグレイの巻き髪。暁海とは正反対のタイプ。
安藤圭
尚人の恋人。
二階堂絵理
老舗出版社の文芸編集者。
幸多
Iターンでオープンしたカフェ兼雑貨店『プラットフォーム』のオーナー夫妻の弟。
友梨
『シマネコ』のアルバイト。
秋美
大型ショッピングセンターの寝具店に勤めている。
小野
明日見菜々
北原先生が以前勤めていた高校の教え子。
Posted by ブクログ
なかなかいい本に出会えたと思う。人間や生きることへの問いかけが素晴らしかった。素敵な言葉がたくさん。北原先生のみたいな淡々としてて考えが素敵な方大好き。
島独特の噂が広がるみたいな話とか、毒親、ヤングケアラーの心情とか、もう色んなものが鮮明に、生々しく書かれてた。
ちょっと最後の方、自分的にはあの関係にモヤっちゃったから星4だけど、これはたぶん自分の本の読み取りが甘い。
たくさん考えさせられて面白かった!!
Posted by ブクログ
個人的に、尚人の死に様が一番理想的だなと思えました。(この物語の中で、ある意味一番幸せな生き方をしたのでは?)
櫂が病気になった辺りから、ありがちな展開で少し盛り下がりましたが、冒頭の伏線回収が気持ちよかったので星4。
読み終わった後、また最初のページに戻りました。
Posted by ブクログ
瀬戸内の島を舞台に、孤独を抱えた高校生の男女が惹かれ合い、すれ違いながらも成長していく姿を、15年以上にわたって描いた物語。
島の空気感や人物の描き方が天才的に上手な作品だった。
「誰かのため」ではなく「自分のため」に決断し、自分の人生を自分で選択することの大切さが描かれる。
心に孤独を抱えた者同士だったはずの暁海と櫂が、遠距離恋愛の中で価値観がずれていく様子がとてもリアルで胸が痛かった。
本当に二人ともに幸せになってほしいと思っていたのに、櫂が亡くなってしまう切なすぎるラスト…
いつまでも記憶に残る作品だと思う。