あらすじ
長い雨の切れ間に女の子を拾った。「ここ、どこ?」ちぃ子と名乗るその少女はどうやら1980年代からタイムスリップしてきたらしい。ちぃ子はなぜ僕の前に現れたのか、はたして元の時代に戻れるのか、封印された記憶に隠された真相は。娘を亡くした父親と、両親のいない少女の、奇妙な「夏休み」がはじまる。すべての伏線が繋がったとき、時空を超えた愛の物語が浮かび上がる号泣必至ミステリー。(解説・大森望)
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Posted by ブクログ
物語のあちこちに伏線があり、読みながらページを遡っていくのが楽しかった。譲は過去からきた紗友里(ちぃ子)に出会い、自殺をやめて生きていく勇気を取り戻した。妻が自分のことを10歳の頃から愛してくれていたことに気づき、自分の優しさも認められた。紗友里は10歳の頃に大人になった譲に出会ったことで、大切な友人を亡くしたあとも、心を壊さずに生きてこられた。こうやって過去と未来の中でお互いを救いあえているのが素敵。もしも、私が自分の生んだ子どもが10歳で亡くなってしまうことを出産時に知ったら、亡くなる未来を変えることに必死になり、与えられた時間を精一杯大切に生きていくことはできないと思う。紗友里は優しくて強い。そんな妻の想いに譲がちゃんと気付けて良かった。過去も未来も変えることは出来なかったけど、過去や未来に抱えていた想いを変えることができてよかった。
Posted by ブクログ
ひとめぼれ。
こんなひとめぼれなら、されてみたい。
途中、ストーリーが平坦で冗長に感じる部分もあった。
しかしながら、最後はよく考えられた伏線回収だった。
Posted by ブクログ
たぶんデビュー作以来の辻堂作品。
テンポ良くて、一気に読めた。「ちぃこ」の正体や散りばめられた伏線にはなんとなく気づいたので、その答え合わせをしたくて一気にっていうのもあったかな。
それにしても、辻堂さん平成生まれ?80年代の描写が素晴らしくて、それこそ、ちぃこの言動でタイムスリップした気分になった。