感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
貴治は香奈子の病気のことを知っていたのか、どのようにして出会いどのように互いを知っていったのかはもう貴治しか知り得ないってところが切なくて好き。亜矢子の中の香奈子は一般的に見たら存在しないけど、でも確かに彼女は存在していて、貴治と出会い、生きていたんだなと思うと、やるせなくなる。
結論、父親が諸悪の根源。
Posted by ブクログ
私は、存在しない。
多重人格を扱った小説は多々あるが、多重人格者の視点で、これほど生々しい心理描写をしてみせたものはないだろう。
ミステリとして見ると、携帯のストラップの伏線などもあり、多少予想はつく。
それでも、あの“崩壊”は本当に心が締めつけられる。
文章は特段上手いというわけではないが、浦賀和宏は本当に小説が巧い。自分が読んだ作家の中では、リーダビリティはダントツ。読む度に、凄さを再認識させられる。
Posted by ブクログ
世に言う多重人格障害が関わる物語でありミステリー。
主人公 根本は父母を失い、引きこもる妹と二人暮らし。妹の不可解であり常軌を逸した挙動に悩まされ続け、破滅に向かう。
ミステリーとも思わず、着地点を気にせず読んでいたので、最後に戸惑わされるとは思わなかった。
作中の「浦田先生」「浦田一雄」は作者さんがモデルなのかな?
最後の一文
---貴治。
あなたは、それを承知で私とつき合っていたの?
痛い気づき。
Posted by ブクログ
面白かった!
最後のどんでん返しもそうだけど、キャラクターの設定の深さが凄い。
虐待された人間はくだらなさを虐待されたせいにできる、と言っていたように、
精神病者にありがちな相反する言葉がキャラクターの一人称視点で出ている点が良かった。
あとどんな辛いことが起きても狂わない人は狂わない描写も説得力があって良かった。
Posted by ブクログ
真相が知りたくて、はやくはやくと読み進んでいく。なんとなく結末はみえてくるけど
そこに至るまでが予想外だった。兄の性的虐待を目撃してもう1人の自分を産み出して父親を殺す。
一回だけでは全てを理解できていない気がする
Posted by ブクログ
『眠りの牢獄』の解説に『彼女は存在しない』の後に読むとよいと書いてあったので、順番は逆になったが読んでみた。
確かに亜矢子という共通の名前を持つキャラクターが登場する。親が亡くなり兄と二人きりという共通の設定もある。だが別人のようだ。
根本はもっと早くに亜矢子のことを大人に相談すべきだったと思う。結局叔父は頼りにならなかったけれど。
根本兄妹の父親の死の真相は、亜矢子が虐待を受けていたわけではないというところから予想できたがショッキングだった。
亜矢子が人を殺すのは兄のためだったということで、恵を殺した理由にも説明がついたが、その肉を兄に食べさせた理由はよくわからない。グロテスクな描写をしたいがための演出に思えた。
由子を多重人格者と思わせるミスリードは見事。
解離性同一性障害の人は本当にいるのだろうか。
読み進めていく段階で、結末が想像できてしまったので、衝撃は少なかった。
多重人格者を扱う作品の中では、心理描写が多く、細かかった。
Posted by ブクログ
「あの、失礼ですけど、アヤコさんではないですか?」
見知らぬ女性にそう話しかけられた香奈子。由子と名乗る相手はどこかおかしい・・・。まるで人格が複数あるような・・・。
同じ頃、大学生の根本は引きこもりの妹・亜矢子の異常行動を目撃する。話し掛けた妹の口調は昔のそれとはまるで違っていた。まるで人格が複数あるような・・・。
多重人格をテーマに、香奈子と根本の2人の視点で物語は進む。やがて2人の周りで殺人事件が起こり目の前の多重人格者?に疑いの目を向ける。
絶望的に救いの見えない話になっている。ミステリーであり、当然謎解きや伏線もしっかり張られてるのだが、それ以上にグロテスクで悲惨な描写が目立つ作品になっている。真相が明らかになったことで心が晴れたり、前に進めた人が皆無な作品も珍しい。人を選ぶ作品なのは間違いない。
Posted by ブクログ
見事にミスリードされました。 ただ自分の理解力が乏しいせいで読後でも、トリックがどういうことなのか理解できませんでした...。 解説を読んでやっと7割くらい理解できました。 もう一度読みます。