あらすじ
カノンの王位転覆を謀ったミガロの跡を継いで六卿当主となった長男シアンが弟を伴い王宮にきた。一波乱ありそうな中、華やかな夜会が六卿それぞれの主催で行われることに。そしてキルテの夜会で大事件が……!?
※この作品は底本と同じクオリティのイラストが収録されています。
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Posted by ブクログ
前回はリリィ様ご一族でしたが、シリーズ5巻目は、キルテです。
男装の麗人キルテですが、男性社会の宮廷の中で、女性が男装してるのは何でだろうと思ってましたけど、バーチェブルークの当主として、諦めなければいけないものもたくさんあったみたいで、結構大変だったようです。
いつも何でもないような描写が伏線になっていて、別に発生する事件といつの間にかつながってるってことが多いですが、今回もキルテの恋と世の中を騒がす首裂きの通り魔の話がいつの間にやらつながっていきます。
キルテは、幼なじみのミドグラント家の次男レノウと結婚の約束をしていたのに、ミドグラント家を継ぐはずの長男ヒロクが首裂きの通り魔によって殺されたと一報が入り、レノウがミドグラント家を継がないといけなくなって、婚約は破棄。
あんまりレノウに対する感情は出さないキルテですが、「結婚はしなくても生涯の友であり続ける」と言ったときの気持ち・・あー切ない。だって、嫌いで別れるんじゃないし、結婚の約束もしてて、あとはヒロクが帰ってくるのを待つばかりだったんですよー。それが破棄になって、代わりにドーラ家のこまっしゃくれたガキと結婚話だなんて、かわいそすぎます。
まあ、それも首裂きの通り魔事件が解決し、オディルを「おでこくん」と呼ぶ、ヒロクが出てきたときは、にやりとしました。やっぱ、そうでなくちゃ。
ヒロクはレノウと兄弟なのは?な感じで、リリィ様と同じくらい、キャラ立ってます。
(あれ?そういえば、この巻、リリィ様の影が薄いかも)
前巻でカノンがノトへの恋心に気付きましたけど、この巻では、ノトがカノンへの恋心に気付きました。
「聖剣の巫女」「国王陛下」の立場と恋。
これから、カノンもノトもつらいとこですね。