【感想・ネタバレ】坊っちゃんのレビュー

あらすじ

『坊っちゃん』は数ある漱石の作品中もっとも広く親しまれている。直情径行、無鉄砲でやたら喧嘩早い坊っちゃんが赤シャツ・狸たちの一党をむこうにまわしてくり展げる痛快な物語は何度読んでも胸がすく。が、痛快だ、面白いとばかりも言っていられない。坊っちゃんは、要するに敗退するのである。(解説・注 平岡敏夫)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

小学生の時に、かなり大ざっぱな児童むけリライト版『坊っちゃん』を読んだことはあるが、オリジナルの通読は今回が初めて。読後の感想を一言で述べると「面白い。が、いいのか、これ?」。

あらすじ紹介には「正義感に燃える若い教師の奮闘の日々」と書いてある。『金八先生』みたいな熱血教師ものかと早合点しそうになるが、だまされてはいけない。『坊っちゃん』は語り口こそ軽妙だが、のちに『こころ』という作品で人間の孤独についてげんなりするほど粘着質に書いた、あの夏目漱石の作品である。ハートフルストーリーを求めて読むと肩すかしをくらう。

第一に、主人公の〈おれ〉は理想に燃えて教師になったのではなく、たまたま恩師に教職を斡旋されて、ほかに就職先がなかったから引き受けたという、典型的なデモシカ教師である。それでも普通の小説なら、生徒との交流を通して使命感に目覚め、「生徒から色々なことを教えられ、人間として成長できました」ときれいにまとめるところだろうが、『坊っちゃん』は違う。〈おれ〉はあんまり成長しないし、生徒との間には連帯感のカケラも生まれない。そして赴任後1ヶ月で勝手に辞職してしまう(しかも辞表は郵送で提出)。

さらに「文豪作品=美しい日本語のお手本」という先入観もぶち壊してくれる。計算されつくした巧みな文章には違いないのだが、語り手の〈おれ〉が短気な江戸っ子という設定なので、悪口雑言のオン・パレードでなのである。〈おれ〉の悪態のうち2割くらいは正当な批判であり、そこを掘り下げればいくらでも深読みできると思うが、残りの8割はどう考えても単なる言いがかりだ。ポンポンと歯切れがよくユーモラスなのでついクスッと笑ってしまうが、松山を「不浄な地」呼ばわりは、漱石先生といえどもいかがなものかと思う。『坊っちゃん』を松山の観光資源として活用してもらうことで、罪ほろぼしになっているとは思うけれど。

とりあえず「明治時代から学級崩壊ってあったんだな」ということや、「3年以内に職場を辞める若者って昔からいたんだな」ということがわかった。ある意味、漱石ってやっぱすげぇ、と思わざるをえない。

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2022年09月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なるほど楽しい。いや楽しい。読み始めた当初はこんなにものめりこむとは思いもしなかった。痛快というイメージだったが中々哲学チックな事を言っており、ぼっちゃんやるじゃない、と言ってしまうほど。後半は赤シャツシャツしていたがメランコリーな感じも一興。しかし東京を好きにはならない、田舎が好きです。

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2015年06月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

四国の中学に数学の教師として赴任した江戸っ子 の坊っちゃん。校長の「狸」や教頭の「赤シャ ツ」は権力をふりかざし、中学生たちはいたずら で手に負えない。正義感に燃える若い教師の奮闘 の日々が始まる。

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2015年06月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2010 2 12

古典文学でも読もうと思って挑戦!
人から泣ける話だと聞いて読んでみたけど、何だかんだで泣けるというよりかは坊ちゃんの性格が笑えるなと思った。

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2012年02月20日

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