あらすじ
『クラスメイトの女子、全員好きでした』
『死にたい夜にかぎって』の著者、初の小説。
僕が住む町の外れに、変わり者の太ったおじさんが住んでいる。
学校では不審者扱いされていて、
僕もふざけて「ゴブリン」なんてあだ名をつけてしまった。
悪いことをしたと思ってる。
だってゴブリンだけなんだ。僕の頭を撫でてくれるのは。
お母さんは家を出て行っちゃったし、
お父さんは毎日僕を殴るから――。
少年と中年のくだらない日常が、心の傷の在処を教えてくれる。
自らの過去を投影して描いた、悲しくも笑顔になれる、
自分だけの愛を探す物語。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
毎日お父さんに殴られていた「僕」の物語。
暴力が日常になっていく様子はとてもつらいけれど、ゴブリンや鰻きょうだい、鶴さん、地蔵のおばさんなど、家族以外の人たちとのふれあいにあたたかさを感じ、救いがあってよかったと思いました。
「僕」は著者自身の幼少期の姿であり、ゴブリンはその後の著者(大人になった自分)なのかもしれないですね。
Posted by ブクログ
毎日親父に殴られて鉄になる主人公が哀しく笑える
ギャンブル好きのふらふらしてるゴブリンや、その相手をするめちゃ色っぽい鶴さんがほんと良い
同じ痛めつけられる境遇の兄妹が殺したい空手強者の父が、女装好きで家庭的なのも腰砕けで良い
最後の対決を裏切る結末もなかなかに味わい深い