あらすじ
膝を痛め、サーカスの花形から事務職に転身し、やがて自伝を書き始めた「わたし」。どうしても誰かに見せたくなり、文芸誌編集長のオットセイに読ませるが……。サーカスで女曲芸師と伝説の芸を成し遂げた娘の「トスカ」、その息子で動物園の人気者となった「クヌート」へと受け継がれる、生の哀しみときらめき。ホッキョクグマ三代の物語をユーモラスに描く、野間文芸賞受賞作。(解説・佐々木敦)
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Posted by ブクログ
初読。意図的に隠されていた情報が少しずつ読者に手渡されていき、物語の骨格を組み立てていく楽しさを与えてもらえた。ソ連とドイツの関係とか、人間と動物の関係とか、言語と非言語の関係とかの要素が巧みに織り込まれていき、ふと歩みを止めてしまうのも素敵な読書体験だ。少し寝かせてもう一度(あるいは何度でも)読み直したい。
文芸誌『GOAT』創刊号「愛」の「私のGOAT本」コラムで上白石萌音さんが熱を込めて紹介していたのに、釣られた。誰かに買ってきてもらって帯と表紙カバーを外して渡して貰えとの指示だったが、お願いできる人がいない私は、自分で買って極力前情報が入らないようにして読んだ。おかげで目論見通りの結果はほぼ得られた。ただ表紙のイラストが見えちゃったのは避けられない。
Posted by ブクログ
親子3代のホッキョクグマがそれぞれ語り手となる3部構成。(人間が語り手となる部分もあり。)
最初はホッキョクグマが語り手であるとわからず、違和感があったが、それをわかって読むと面白い。
ホッキョクグマと人間の視点を行き来しながら、読む本ははじめてだったので楽しかった。
パーティーに出席したり、会議に出席するクマの描写に思わずクスッと笑ってしまうところもあった。
人間のように語るホッキョクグマの視点に、人間が思う「クマらしさ」を感じて心が和んだ。