あらすじ
岡山の名士が遺した二通の遺言状。一通目の遺言に従って、一族の面々は瀬戸内の孤島・斜島に集められた。行方を晦ましていた怪しげな親族も姿を見せるなか、巨大な球形展望室を有する異形の館・御影荘でもう一通の遺言状が読みあげられた翌朝、相続人の一人が死体となって発見される。折しも嵐によって島は外界から隔絶される事態に。館に招かれた私立探偵・小早川隆生と弁護士・矢野沙耶香の二人を奇怪な事件が待ち受ける。鬼面の怪人物の跳梁、密室から消える人影、二十三年前の悲劇――続発する怪事の果てに明らかとなる驚愕の真相は。謎解きの興趣を隅々まで凝らした本格推理長編。/解説=大山誠一郎
...続きを読む感情タグBEST3
表紙の絵とタイトルがおどろおどろしく感じて少し躊躇いましたが、読んでみると安心のコメディミステリーでした。
事件が起きますのでちょっと怖いシーンもありますが、軽やかに楽しめるミステリーです。
過去作品「館島」と関連のある今回の作品。
この流れで島シリーズとして続編があったらいいな〜。
Posted by ブクログ
本格物として申し分ないクオリティ。
現実離れした舞台設定や展開は読み応えがある。
孤島、後ろ暗い過去をもつ名家…それだけで面白くないはずがない要素!
推理に関してはかなり難しいというか、犯人あてだけならあまり意外性はなく、かといって全ての真相を見抜くのはハードルが高い…。
伏線の張り方が巧みなところもあるが、全体としては飛躍した発想が必要かも。
Posted by ブクログ
とにかく伏線がシンプルでわかりやすかったことが印象的だった。文字通りそのこと自体はまるでなんでもないことのようにその重要性が伏せられていたが、いざ解決編に至った時の「あー!あれってこれに繋がってたのか!」という驚きとスッキリした感覚は相当なものだった。その他のことに辻褄があって納得さえできれば個人的に仕掛けの実現可能性は必ずしも重要ではないので、今回に関しては「それは無理矢理でしょ」というような感想は抱かなかった。
Posted by ブクログ
なかなかのボリュームのある文庫本、久しぶりに読む作家だったので文体に面食らった
あらすじ書きからは硬筆な本格ミステリーを思わせるが終始コメディタッチな内容
擬音語と体言止めのオンパレードで、気になりだすと読むのがキツいが心地よくもあったりする
良く言えば読書体験なのだが、地の文章のみならず会話文でも体言止めが出てきた箇所はさすがに二度読み三度読み必至だった
ミステリーの観点からは満足
長すぎて序盤部分が頭から抜けてしまってはいたが、しっかり本格していた佳作
解説で前作品との関連を知る
未読の方はそちらから読むことをオススメします
Posted by ブクログ
久しぶりにこんなに長編の話を読みました。
最初は話についていくのが大変でしたが、少しづつ登場人物の関係性を掴んで行き始めたところで話に集中することができました。
きちんと伏線も回収されていましたしトリックもしっかりしていて、ミステリの面白さが詰まった一冊でした。
Posted by ブクログ
なんともレビューが難しい。
たしかに面白かったのだけど、みんなに勧めたいかといえばそうでもなくて、その「仕掛け」はさすがにないでしょ、とは思うものの、すべての話の辻褄を合わせたラストは見事で。
うぅーん、なんといか。
読書を娯楽と割り切る人にはオススメ、という感じ……かな?
東川さんの持ち味であるユーモアーがオブラートになって、ラストに悲壮感はないけれど、でも、犯人の心境をよくよく考えると、まったくもって救いがないよね!?
Posted by ブクログ
あまりに真犯人が悲劇すぎないか…私も多くはなくともそれなりにミステリを読んできたが、こんな可哀想な(悲痛、というより境遇があまりにも…)な真犯人はかつて無い…西大寺家の責任問題では…
重厚な本格ミステリに親しんでいたせいか、随所で出てくる「ユーモア」が個人的にはいまひとつ笑えなかった。そこが少し残念。
ただプロローグと本編の関連性はぎりぎりまでわからなかったので、驚きは十分に楽しむことができた。
Posted by ブクログ
笑った
これはバカミスなのか真面目なのか
いや、面白かった
実写で見てみたいな 突飛な謎を序盤で提示してしっかり解決を見せてくれたのも良かったです
なるほどなぁ 全然思いつかなかった