【感想・ネタバレ】反転領域のレビュー

あらすじ

時は19世紀。イギリス人外科医師サイラス・コードが乗船する小型帆船デメテル号は、ノルウェー沿岸の極地探検にむかっていた。北緯68度線付近にある目的地のフィヨルドには、古代に建造されたとおぼしき未知の大建築物が存在するのだという。さまざまな苦難を経て、ようやく現地に到達したサイラスたち探検隊一行は、先着したライバル船のたどった運命を知る。そして目的の建築物を発見したとき、予想もしなかった事態が起こる……星雲賞作家が放つ、読者の予測を鮮やかに反転させる、超絶展開の傑作SF! ローカス賞、ドラゴン賞候補作。/解説=渡邊利道

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

わたしがついていけるSFとしてギリギリの高度でしたが、こんなに泣けるとは。
同じ翻訳者の「マーダーポッド・ダイアリー」を思い出す場面もいくつかあり、逃げずに読んでほんとうに良かった。

0
2025年10月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

イギリスの作家、アレステア・レナルズの単発SF作品。結構なベテラン作家らしく、過去にはシリーズものが邦訳されていたらしい。

19世紀、太古の大建築物を調査するため、ノルウェー近海を進む調査隊。船医であるサイラス・コードは、小説を書きながら一行に帯同するが…

これはネタバレ厳禁。正直、何も見ずに読んだ方が良い。とんでもないところに連れて行ってくれる作品。
もちろん、SFレーベルから出版されているので、そういった要素を身構えて読むと思う。ところがこの作品は極上の冒険小説。素晴らしい。
登場人物も少なく、また非常に読みやすい。あっという間に読めると思う。爽やかなラストで読後感も良い。おすすめ。

0
2025年08月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これはネタバレ厳禁です。
気になるなぁーと思ったら何も見ずに買って読んで欲しい。
自分はネタバレを食らったので他の人はまっさらな状態で楽しんでほしいです!!あのサイトむかつく!(笑)
気になる人はすぐ読もう!





展開とか仕掛けだけの話じゃなくて、主人公含めた登場人物たちのやり取りがいいです。
この小説の構造上同じ登場人物たちとのやり取りが後半に生きてくる話が大好物なので、終盤あれもこれもって畳み掛けてくる感じが幸せすぎました。

死ぬごとに違う場所、乗り物なのに目的地や登場人物は同じってノベルゲーではよくありますよね。違うルートを辿って行ってトゥルーエンドに行く。ひぐらしのなく頃にとかシュタインズ・ゲートとか有名なのが頭に浮かびながら読んでました。実際に1冊の本にするならこんな感じなのかなって思うとかなりすごいことやってると思う!

終盤で現実を直視してからのパートはずっと最高でした。
1人を犠牲にしてほかの全員を救う選択を人間であろうとするサイラスはギリギリまで葛藤して、遂には選択するけど、仲間には酷いやつだと罵られるとこは、彼が夢の中で執拗なほどデュパンを休ませようとしていたことを知ってるから辛くて仕方なかった。終わりの時にそばにいるのも泣けます。最後の会話も良かった。
そこからのエイダと同居する夢の中終わりでまた泣けます。良すぎます。

0
2025年08月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

※ネタバレ注意
以下、物語の結末・核心に触れます











自分が人間であることを、どうやって証明できるのだろう?

人間でありたいAIが人間らしさを獲得していく過程と、人が幼少期から他者との関わりの中で、協調性や倫理を身につけていく過程は、本当に決定的に違うのだろうか。
違いがあるとすれば、それは
有機物かそうでないか、肉体があるかないか、
その程度の差なのではないか。
作中で描かれる、体内に遺骨を抱え、歩くたびにカラカラと音を立てる描写は、その違和感を象徴しているように思えた。

医師であるサイラスは、最後まで患者の側に居続け、役割を全うする。
それは一般的に想像される「人間らしい優しさ」や「感情移入」から来る行動とは、少し違う。
感情に揺らがされることなく、ただ純粋に“医者”であろうとし続ける姿は、
本当の人間にはなれない存在の切なさを感じさせる一方で、私には「医者の中の医者」にも思えた。
余計な迷いや自己正当化を挟まず、役割そのものとして存在し続けること。
それは、“人間”である私からすると、どこか羨ましくもある。

0
2025年12月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 SFに慣れていないせいか、よくあるパターンの展開みたいだけどある程度新鮮味をもって読めた。ただ人物同士の会話に感情が感じられず淡々と紙に書いたセリフを読み上げるように話す口調に感情移入できなかった。SFならではなんだと思うけど。
 同じ構成だが細部が違うストーリーを何度も繰り返されて、多少は飽きたし頭が混乱した。
 あと反転領域とは、大建築物の内部が反転した領域になっているのかと思って読み始めたけど、結局主人公の立場、見方が反転していたということ❓求めていた内容と違ってたかもしれない。大建築物はどんな建物で、誰が作ったのかに興味があったけど、詳しく分からず少し物足りなかった。

*追記*
原作の英語版では、"Eversion"(反転)という題名なんですね。それなら反転しているのはどこかの区域ではなく観点だと言われても納得。
建物の内部が物理法則に従わず反転して不思議な世界になっているのかと思ったのでミスリーディングがあるかも。

0
2025年12月14日

「SF・ファンタジー」ランキング