あらすじ
「雨は、なぜ降るのだろう」。少女時代に雨の原理に素朴な疑問を抱いて、戦前、女性が理系の教育を受ける機会に恵まれない時代から、科学の道を志した猿橋勝子。戦後、アメリカのビキニ水爆実験で降った「死の灰」による放射能汚染の測定にたずさわり、後年、核実験の抑止に影響を与える研究成果をあげた。その生涯にわたる科学への情熱をよみがえらせる長篇小説。
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Posted by ブクログ
猿橋勝子って誰。戦時下から昭和後期男尊女卑の時代。キュリー夫人にあこがれ、中央気象台研究部で三宅泰雄教授の指導の下、一人の科学者として自分に何ができるのか、純粋に科学と向き合いそして後進の行く末を案ずる。原爆投下と終戦。終戦から約10年後ビキニ環礁での水爆実験。黒い雨、死の灰。多分に書かれていること以外にもかなりの障害があったと思われるが、猿橋勝子と言う人物を知れてよかった。フィクションとあったが限りなくノンフイクションに近い物語。そのうち、映像作品になっても不思議ではないと思うし、是非とも観てみたい。
Posted by ブクログ
科学小説が多い伊与原新作品 4冊目
今回は実在の女性科学者 猿橋勝子(さるはしかつこ)の史実ベースのフィクション小説
まだ女性が「若くして嫁ぐことこそ女の幸せ」と言われていた大正時代。
マリー・キュリーに憧れて科学を学ぶため 親を説き伏せ、できたばかりの日本初の女性のための理系専門学校に入学する。
そして 出逢った生涯の師 三宅泰雄
地球化学分野の先駆者で、中央気象台で大気の電場を研究している科学者だ
そこで 何も知らない学生の勝子に一から研究の基礎を教え 科学者へと導いていく
戦時中の科学者の想いとは違う 軍との関わり、そして 原爆・・・・
小さい頃 (雨は何だろう?)と考えた 勝子が放射能の雨に挑んでいく
東大の大学院で地球惑星科学を専攻していた科学者 伊与原らしい切り口で 事細かに勝子の研究の様子を綴っていく。
本物だけに 難しい専門用語がいっぱいでついていけないのだが、それを上回る勝子の研究へのエネルギーが感じられて、文章を追う目がもどかしく思うほどだ。
そして 勝子を応援する周囲の人々が暖かい。
うん これはお盆の特別番組 2時間枠ドラマでやるべきだな
ただ学生時代 化学や物理で頭を悩ませた方には ちょっとトラウマになるレベルのお話しかもね。