あらすじ
見るも無残に顔が潰れた死体、変転してゆく事件像(「石榴(ざくろ)」)。絶世の美女に心奪われた兄の想像を絶す る“運命”(「押絵と旅する男」)。謎に満ちた探偵作家・大江春泥(しゅんでい)に脅迫される実業家夫人、彼女を恋する私は春泥の影を追跡する――後世に 語り継がれるミステリ「陰獣」。他に「目羅博士」「人でなしの恋」「白昼夢」「踊る一寸法師」を収録。大乱歩の魔力を存分に味わえる厳選全7編。(編者解説・日下三蔵)
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Posted by ブクログ
柘榴
すっごく面白かった。やっぱどんでん返しがいいね。どこも驚くところばっかりだった。硫酸殺人事件…名前からしてもかなり怖い……。全ての行動に意味があって、ラストもまさかの展開で面白かった。警察の考えることよりも先の先を読んで犯行する、読んでいて自分の予想の斜め上にいったものばかりでよかった。
人でなしの恋
面白かった。人形に恋をするのは理解し難いけど、妻を愛そうと努力しても愛せない夫は妻に直接ひどいことはしてないみたいだし、夫も夫なりに普通になりたいと努力をしていたのかも。根本的な悪いやつではないから、そこが難しい。人形を壊されただけで、自分の命までも絶ってしまうのは、彼なりに生きる理由がその人形にあったんだろうな。
人形の声はもちろん夫が出してるみたいだから「あなたのような美しい方に…」って自分で言ってたけど、自分の美しさは自覚してて面白い。
白昼夢
不気味で怖かったぁ…大好きな美しい奥さんを屍蝋にしてしまうなんて…思いもつかないよね。
踊る一寸法師
グロくて怖い、復讐劇。最初のいじめのところはかなりひどくて不快な気分にならざるおえなかったけど、最後の復讐も怖い。テントに火をつけるが、火がある中でも、酒に狂って笑う人々。全てが狂気的なシーンばかりだった。今の時代ではあんな作品作れないな。そういう思考ができる乱歩に恐怖を感じる…
陰獣
とてつもなく、もうすっごく面白かった!色々とカオスだし、怖いし、でも面白いし!乱歩の作品をたくさん読んできた人からしたら、特に面白いかも!
Posted by ブクログ
『押絵と旅する男』が好きなので買った。だいたいどの作品も大まかには結論(話の裏切り)が予測できながら読んでいたが、粒がそろっていて良い本だった。自分が好みのテイストがここにあるような気がした。
Posted by ブクログ
〜記録〜
石榴→
ラスト5ページで全てがひっくり返る内容だった!ラスト石榴が爆ぜたような死に方の比喩がされたのは誰でもなかった人としての伝えた方をしたかったのかなあ、と
押絵と旅する男→
ワードとして押絵との間にレンズのような働きをするものをたくさん散りばめることで、より鮮明に見えているような錯覚を起こさせているが、正体はとても曖昧なものであるのが、魅力だと感じた
目羅博士→
模倣、鏡、月の光、、、全てが揃った時に起こる有り得ないけれど、もしかしたら起こってしまうかもしれないと思わせる殺人の方法にとてつもなく恐怖を感じた
人でなしの心→
タイトルに含まれる3つの意味
①本にある通り、この世のほかの恋。
人ではないものに恋をしている門野
②嫉妬と恨みで狂ってしまった私(京子)のこと。
もはや人ができることではない
③最後に不気味な笑みを浮かべていた人形。
人形ではない=人ではない=人でなし
白昼夢→
とても強烈な印象が残る。
白昼夢か現実か分からない曖昧な始まりから、その情景はかなり濃く鮮明で夢とは思えない
踊る一寸法師→
私以外が狂っていると感じる世界を、まるで自分もその現場にいたような不思議な感覚を覚えた
陰獣→
これ好き。中編でも退屈することがない。
大江春泥の描写が気味が悪すぎて印象に残るため、存在しているように思える。六郎は寒川と同様元は変態性欲者ではなく、静子が育てたのではないだろうか。静子と結ばれていたとしても、六郎と同じ運命になった可能性もあると思うと、、、こっわい
Posted by ブクログ
柘榴のような、語り手が犯人のパターンはかなりあると思うが文章が好き
最後の谷から落ちた谷村氏が大きな柘榴のように見えたというのが、なんて文章だと印象に残っている。その後のかたみの品である目玉の描写もたまらなく好き。