あらすじ
ゲーム制作会社で働く汐路は、同僚がビルから転落死する瞬間を目撃する。衝撃を受ける彼女に、故郷・早瀬で暮らす姉から電話が入る。故郷の中学で女子学生が同級生を猟銃で射殺するという事件が起きたのだ。汐路は同僚と女子学生が同一のキャラクターグッズを身に着けていたことに気づき、故郷に戻って事件の調査を始めるのだが……。現代社会の「歪み」を描き切った衝撃のミステリ! 第21回横溝正史ミステリ大賞受賞作。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
短いしさくさく読める。
前半はゲーム制作って大変なんだな…とか、今じゃ同じグッズを大量に持ってることも普通(?)なんだよ…とか、思ったりした。
主人公は行動力と思い切りの良さが半端ない。フッ軽。だからこそ展開が早いんだな。あと先考えてぇとも思うけど。
石丸さんいい人〜と思ってたけど後半にいくにつれウン?となった。いい人すぎて怖い。なんでそこまでしてくれるの?なんでそこまでするの?主人公に多大な恋愛感情や弟子愛みたいなのがあるなら、まあ分かるけども、それもなさそうだし。
いろいろと人怖な話でした。
一点。HNケイジロウとケイジロウというアニメキャラクターについて、あれは偶然同じ名前のものがあって被害者がそれを見つけたのか。それとも近江敬次郎に準えて意図的に生み出されたものなのか。続編があるようなので、そこで解明されるのかちょっと気になるところ。
Posted by ブクログ
なかなかスピード感があり読みやすくてスラスラよめた。
展開の速さは好みだった。
建築空間の歪みからくる精神異常も題材として面白い。
ただ、他のレビューにもありましたが、人物像がうまく浮かばない。
人物描写がちょっと足らないというか。
いつもはこんな感じとイメージを抱ける人物像が今回はなかなか頭の中で定着できなかった。
Posted by ブクログ
歪みがある部屋にいると視覚情報との差異で三半規管に狂いが生じるという話は聞いたことがあります。
歪みがある家で長年暮らしていたら精神的におかしくなることもあり得る話に思えます。
この結果を望んで敬次郎が早瀬という地域に仕掛けを施したのか、西家の人がどれだけ病んでいたのか分かりませんが、兎も角、執念深くて気味が悪い作品でした。
そういえば、汐路の同僚が自殺した件は早瀬の事件と関連あったのか結論が出てないような・・・
続きがあるみたいなので、そこで言及があるのかな?
Posted by ブクログ
危ない単独行動に走ったり、松原孝と祥一郎に対しての汐路の強気な部分があまり好きになれなかったなぁ。裏を返せば両親を早くに亡くして頼らず生きてきた自信の表れなのだろうけど…。
家の歪みが人に害をもたらすという設定は興味深い。もっと深く知りたくなる題材。
完全解決で終わらないのも、敬次郎の一軒一代で終わらせない呪いの執念と強さを感じる。
謎めいた石丸さん、彼にも何だか暗い過去がありそうだ。