感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
秀作
全体的に人間の汚い部分が描かれている印象を受けた。
合理性を求めるが故に非合理的な行動をとった学者、金を生み出す金庫、天国に行っても幸せを実感できない男など皮肉めいた一面が度々顔を出す一冊。
大満足。
Posted by ブクログ
3冊目にしてもクオリティ衰えず。
本書でのベストは「調査」、「シンデレラ」、「肩の上の秘書」、「愛の通信」、「サーカスの旅」。
今でこそ多くなったがいわゆる価値観の逆転が星氏の発想の基になっている。
見ている側が実は見られていて、こちらの味方は実は他方の敵といった裏返しによる意外な視点が読者の予想の斜め上のストーリー展開を提供している。
チェスタトンの逆説を彷彿させるが、チェスタトンが40ページ前後を費やしてサプライズをもたらしたのに対し、星氏は10ページ前後の内容で披露するのだから、いやはや恐ろしいまでの才能だ。
その他気になった作品をいくつか。
「情熱」は図らずも父の死により星製薬を引き継ぐことになった星氏の内面が現れているようにも感じる1篇。
「行き届いた生活」は昔手塚治虫の漫画で見たような記憶がある。便利さがもたらす戦慄を描いている。
「かわいいポーリー」も何かで見たような気がするが、もしかしたらこれが原型だったのかも。
こうやって読むと今でも換骨奪胎して星氏の作品は意匠を新たに現在の作家によって物語が紡がれているように思える。
まだこの文庫が容易に買えることが実に素晴らしい。
Posted by ブクログ
作家について語るには、作家をしてかたらしめるのが一番手っ取り早い
星さんの作品が、気まぐれ、残酷、ナンセンスがかったユーモア、ちょっと詩的まがい、投げ槍なところから成り立っている