【感想・ネタバレ】欲望の大地、果てなき罪 下のレビュー

あらすじ

1946年、ベイルート。長男ジャンが犯した殺人を追う次男フランソワ。不審死を遂げた三男エティエンヌ。長女のエレーヌにも秘密が……

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

あとがきで知ったけれど、これ災厄の子供たち三部作(未購入)の続きだったんだな……こちらから読んでしまった。いやしかし、それでも面白かった。曲者揃いのペルティエ一家を軸とした圧巻の群像劇。
全員異なるベクトルで狂人というか……。中でもスペック的には最も冴えない長男ジャンが冒頭からさらっと通り魔殺人をかましており、もはや悪癖のように語られるそれに戦慄。しかも弟フランソワは新聞記者で、兄が起こした殺人事件をそうとは知らずに取り上げ、出世街道を邁進するというスリリングすぎる展開。ジャンの妻で毒婦ポジションのジュヌヴィエーヴも絶妙に憎めないところがある。
三男エティエンヌのエピソードだと、シエウ・リン教団のパレードで教祖ロアンの正体に気付くシーンが好きだな〜。サイゴンという異質な街で存在感を示す教団のトップがまさかあの男とはね……。亡き恋人への愛故に静かに壊れていくはずだったエティエンヌが辿る数奇な運命、とても読み応えあった。
末っ子のエレーヌは何と言っても物語最後に母親とサイゴンを訪れた時に見せた、飾らない素のままの姿が1番魅力的なんじゃあなかろうか。憧れのパリで何者にもなれないと藻掻いていたけれど、エティエンヌを想ってなりふり構わず行動できる彼女は強いなと思った。まぁ事の決着を付けた母親が1番強いのは言わずもがな。
これが栄光の時代三部作の第一弾らしいので、新刊を楽しみにしている。

0
2026年05月23日

「小説」ランキング