【感想・ネタバレ】茜唄(下)のレビュー

あらすじ

歴史とは、勝者が紡ぐもの。では、何故『平家物語』は「敗者」の名が冠されているのか? 現代では作者不明の『平家物語』は誰が書き、何を託されたのか――。平清盛最愛の子・知盛は交戦を続ける源氏を前に、木曽義仲を水島の戦いで破った。だが、敵には源頼朝、そしてまだ、戦の天才・義経がいる。知盛はこの苦境に、どう抗っていくのか。平家全盛から滅亡まで、その最前線で戦い続けた知将が望んだ未来とは。時代を創った綺羅星の如き者たち、善きも悪きもそのままにそのすべて。(全二巻)(解説・佐藤可士和)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

【茜唄】 今村 翔吾 著

 平家物語を久しぶりに読みました。平清盛亡き後、棟梁・平宗盛を補佐し、実質的に平家を取り仕切った四男で知将・平知盛と、武勇に優れた従兄弟の平経盛を軸に平家物語を復活させています。上巻後半の木曾義仲、下巻の「一の谷の戦」に始まる源義経らとの戦などは圧巻です。描写は、まさにその場にいるようで鮮やか。義経の物語が多いなか、平家側からどう見えたかもわかってとても興味深かったです。

 著者の考察として面白かった点は、清盛が源頼朝を殺害しなかったのは、奥州・藤原秀衡、関東・源頼朝、西国・平家による「天下三分の計」によって均衡を図ろうとしたというもの。また、歴史は勝者の論理で書き換えられるため、琵琶による口伝によって平家側の実情を千年後にも伝えようとしたという点も面白かったです。

 上下二巻は長いかと思ったのですが、暑いさなかに引き込まれて読んだ一冊です。

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2025年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

平家が滅びることを知っている。それでもページをめくる手が止まらない。結末が分かっているからこそ、知盛たちが懸命に生き残ろうとする姿が胸に迫る。

何より平知盛が格好いい。知略だけでなく、家族や仲間を思い、最後まで平家のために戦い抜く姿に惹きつけられた。教経との関係も熱く、互いを認め、支え合う二人の姿が印象に残る。

本作を読んで、「平家=悪」という一面的なイメージも大きく変わった。そこにいたのは、家族を愛し、仲間を思い、必死に生きようとした一人ひとりの人間だった。そして知盛を支える希子の存在も忘れ難い。戦いの裏側にある家族の情愛まで描かれているからこそ、平家の滅亡がこれほど切なく感じられる。

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2026年10月07日

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