【感想・ネタバレ】信仰のレビュー

あらすじ

信じることの危うさと切実さに痺れる11篇

「なあ、俺と、新しくカルト始めない?」

好きな言葉は「原価いくら?」
現実こそが正しいのだと強く信じる、超・現実主義者の私が、
同級生から、カルト商法を始めようと誘われて――。

世界中の読者を熱狂させる、村田沙耶香の11の短篇+エッセイ。
表題作は2021年シャーリィ・ジャクスン賞(中編小説部門)候補作に選ばれました。

文庫化にあたり、短篇小説「無害ないきもの」「残雪」、エッセイ「いかり」を追加。
書き下ろしエッセイである「書かなかった日記――文庫版によせて」を巻末に収録。

〈収録作〉
「信仰」「生存」「土脉潤起」「彼らの惑星へ帰っていくこと」「カルチャーショック」「気持ちよさという罪」「書かなかった小説」「最後の展覧会」「無害ないきもの」「残雪」「いかり」

単行本 2022年6月 文藝春秋刊
文庫版 2025年5月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

•信仰
「なぁ、俺とカルト始めないか?」
それはカルト信仰の勧誘ではなく、カルトを”創設”する誘いだった…
圧倒的な”現実主義”のミキは、ブランド品や怪しいセミナーにお金を大量に使う周りを酷く軽蔑していたが、”夢”を見ることができない自分が嫌になり…

•生存
生存率とは、65歳まで生きることができる確率を指す。
最上位Aは80%以上から、最下位Dは10%以下まで(野人として、自然で生きていることもある)。
食料が枯渇し、学力•収入が「生存率」として判断される世界では、生存率を上げる事こそが人生よ中心となりつつあった…
幼少期から生存率が「C」だったクミの、「生存率に囚われて生きていく今後はまっぴらだ」という考えが、潔くて好き!

•土脉潤起
姉が”野人”となることを宣言し、家を出て早三年。
人工授精により、同居人の女友達二人との”子供”を授かることを決めた主人公は、産前のうちに森にすむ野人の姉に会いに行く。
姉はすでに野人なので話せないが、そこに悲壮感はほとんどありません。
姉を思いやりつつも、自分も前に進もうという、主人公の気持ちが見えるほんのり暖かい作品でした。

•彼らの惑星へ帰っていくこと
自分が「宇宙人」だから、この世界はこんなにも生きづらいんだ…
そう本気で考える人達にとって、この”宇宙人”という定義がどれだけ救いになることや…
なんか生きづらさを感じる時に読みたい一作。

•「カルチャーショック」
全てが同じ色の白い建物、顔も同じく、食べ物も味が一切しないものを食べる。
「均一」という街ではそれが普通である。
“均一”で生まれ育った主人公が父に連れられ、真逆の特徴を持った街、「カルチャーショック」に連れて行かれる。
「味がする」食べ物、「蟻でできた」家、全てが統一されていない国で、何が起こるのか?

•気持ちよさという罪
主人公は昔から、「個性を出していこう」という姿勢を毛嫌いしている。
周りからの「お前はこういう奴だよな」という決めつけによる扱いに、ピエロのように従順にいるだけで気持ちよくなっていても、それはもはや多様性を認めてられてようでそうではなく、周りに都合よく扱われているだけの世界だなと(書いていてわけわかめ)

•書かなかった小説
夏子はヨドバシカメラでクローンを4体買い、夏子A〜Eとして5人で同居生活を始める。
明らかに1番優秀な夏子B、生真面目すぎる夏子C、気弱で不安定な夏子D、テキトーで調子のいい夏子E、そして本物の人間の夏子A。
夏子DとEが愛し合い始めたり、5人の間でのパワーバランスが途中で変わったりと、”自分”のクローンと暮らすとこんな事が起きるのかもな?と、同じ顔5人で同居している姿をイメージしながら楽しく読めました。

•最後の展覧会
「チキュー」で、一万年前に人間という生物が創造した「ゲージュ」なるものの展覧会を開くことにしたロボットと宇宙人の話。
この概念を恐れた宇宙人の襲撃により、2人とも死んでしまうが、死んだ後も永遠に展覧会は続いていく。

•無害ないきもの
人間が、人間を「害獣」認定した世界。
ドームと呼ばれる閉鎖空間で生活する人間達は18歳になると”罪滅ぼし”をするらしい。
謎だらけでした笑

•残雪
自殺幇助のアルバイトをする主人公。
スイスで睡眠薬自殺を図る依頼者を冷蔵庫に移動するだけという話なのに、遺書から漂う他人の恋の末路が読み手を切ない気持ちにさせてくる。

•いかり
•書かなかった日記
この二つに関してはエッセイで、いかりは村田さんがスイスで過ごした半年間、書けなかった日記はその半年間でのねんりょ(希死念慮)との付き合

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2026年03月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小説とエッセイ12篇、文庫化書下ろしあり

村田ワールド炸裂の濃密な1冊。『コンビニ人間』を読んだときの感覚が蘇りました。「もし○○だったら」と若いときに思ったことが村田さんの手によって小説になったら、という作品が複数あってとても面白かった。

個人的にとても心に残った作品→

信仰
読んだ感じは『コンビニ人間』に一番近いかも。原価に対するこだわり、私も小学校高学年~高校生まであったので懐かしい…。

生存
生物的格差が簡単に分かるようになった世界。下のランクに留まることは許されない。なんてしんどいんだろう。

気持ちよさという罪
ニックネームについて考える。

書かなかった小説
昔は「分身がいたら便利だろうなぁ」と思ってました。

無害ないきもの
環境汚染について習ったときに「人間が死に絶えれば解決するのでは」と一度は誰しも思いついたことがあるはず。

残雪
この数ページでこの世界観を描く、感嘆してしまった。

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2026年01月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コンビニ人間がとっても面白かったのでこちらも。
後半になるにつれて読むのが難しかった。
単に話を楽しむことはできても文学的な何かを面白く捉えるのは難しいなぁ〜。

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2026年02月17日

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