【感想・ネタバレ】新世界より(下)のレビュー

「人間とは、いったい何なのか」という問いを徹底的に突きつける、名作SFファンタジー!
舞台は、1000年後の遠未来・日本。人間は、呪力と呼ばれる念動力を持ち、バケネズミという異類に”神様”として崇められていた。主人公・渡辺早季(わたなべさき)は、自然豊かな神栖(かみす)66町でのびやかに育った少女。全人学級と呼ばれる学校で念動力を磨く彼女は、ある日、友達とともにこの世界に隠された「ある秘密」を知ってしまう。それは、先史文明(つまり過去の日本)が、1000年間のうちにたどった血塗られた歴史だった……。
誰にでも、空を飛べたら、と夢想したことがあるだろう。空を飛べるようになったら、歩かなくていいし、電車運賃を払わなくても遠くに行ける。でも、実際にそんな力を手にした「特別な人間」が生まれたとき、人間社会がどうなってしまうのか、ということまで考えた人はあまりいないのではないか。
病的に美しいディストピアとなった日本。ある日突然消えてしまう子供たち。謎に覆われた生まれ故郷。人間と異類……。その謎が解き明かされるとき、読者はいつのまにか最後まで読み進めてしまうだろう。

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Posted by ブクログ

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新世界よりシリーズ最終作。
これまでたくさんバケネズミへの憎悪を駆り立てられてからの最後のシーン。やはりこういうところが新世界よりが名作と言われる所以か。
一気読みしてしまって作品だし貴志先生の書き手としてのうまさを痛感した作品だった。

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2024年04月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最終巻、読み終わった!!!圧巻でした…!
ここまでくるともう終わりが見えてくるので、なんとなく訪れる結末が予想できてくる。悪鬼の正体だとか、どうしてそうなったのか、とか、顔のない少年との消えた記憶だとか、バケネズミのこととか、そういう今まで散りばめられてきたものがすべて繋がって少しずつ解明されていく編。でもまさかそんなふうに結末にたどり着くとは思わず、最後まで読んで、はあああって感嘆のため息がでた。
好きな人に薦められたことがきっかけで読み始めた本だったので、評価に対して多少の忖度がないとは言い切れないが、読んでよかったと思う。人生にとって必要な本だった。これこそが物語であり、フィクション、創作物としての頂点っていうか、ほんとによくできた話で、めちゃくちゃ面白かった!早季の手記として残されていて、それを未来の自分たちが読んでいるっていう構図もよかったな。
最初から真理亜がどうこうっていう記述があって、あれがこう繋がるのかあってなるし、その真相を知ると悲しくて切なくてやるせない気持ちにもなった。そんな中で早季はずっと前を向いている、その強さにもやられる。覚が最後まで生きていてくれて嬉しかったし、早季と覚の間に子どもが生まれて、未来へと続いていくのもよかったな。スクィーラの自分たちは人間だっていう叫びだったり、バケネズミと人間の遺伝子の話、真理亜たちの骨の話、後から思うとあーーーーってなることが多い。長いのでいつになるかわからないけど、いつかまた読み返したい。没頭できる本。

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2024年03月21日

Posted by ブクログ

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バケネズミが実は人間だったら嫌だなと思っていたのでショックでした。人間の奴隷だと言うバケネズミ側とと共存しているという人間側の言い分が平行線で救われないです。かつての仲間も死んでしまい、これからまた不安定な世の中になる絶望的な状況でほんの少しの希望を持たせるようなラストと瞬の存在が良かったです。

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2024年02月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

遂に、上中下巻全て読み終わりました。

すごく面白かった!
ただエンターテイメント性に優れているだけでなく、生きるものの生命の重さや目的にも触れた重みのある話だったと思います。

業魔として悲しみの中で生命を亡くした彼のことを、封印の底から思い出したとき。

大義のために生命を賭けて悪鬼と闘ったバケネズミの信念の強さを見せつけられたとき。

なにかこう胸に来るものがあってジーンとしてしまった。

随所で社会風刺的な皮肉もあったりして、そうゆうのも割と好きでした。
大長編ではあったわけですが、とにかく先が気になって一気に読んじゃいました。

最後の一文は、非常にぐっときました。

まさに、貴志祐介さんの想像力に感服です。

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2024年01月31日

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怒涛の展開。面白すぎてイッキ読みした。怖いし悲しいし残酷だし、色んな感情が次から次へと襲いかかってくるものすごい作品だった、、、
奇狼丸は良いキャラだったなあ。全てを知った上で、早季たちと行動をともにして、最期の作戦を実行するに至るまでの思いを想像すると、なんだかとても切ない。

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2024年01月30日

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下巻も一気に読破、仕事にならんかったなー笑
バケネズミが人間だってことはうすうす勘付いてはいた。強者が弱者を支配する構造は人間社会含めて自然な構造だろうとは思う。呪力という圧倒的な脅威を人間が得た時に世界はどう動くだろうか、著者の想像力には脱帽です。未来呪力が生じる可能性は限りなく低いが、それに近しい核兵器などの脅威は現存しているため、本作が現実社会と通ずるところは多い。核兵器を持たざる我々日本人はバケネズミのように、アメリカという人間にの庇護の下で暮らしてきたのが戦後社会ともいえるのではないだろうか。中国やロシアという自由資本主義に対する勢力が、悪鬼の如く科学技術を進歩させて世界の覇権を手中に収めようとしている。まあ中国とロシアがバケネズミというわけではないけれども、そのとき日本バケネズミはどうすべきなのか。

個人的には真理亜と守がどうして死んでしまったのかは気になるところ。

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2024年01月17日

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 最終巻では、26歳の早季と覚を中心に、物語は終焉へと向かう。この時期、バケネズミたちの争いが本格化する。過去の人間たちが使用した武器を巧みに使い、まるで人間の戦争のような光景を主人公たちは観察する。これは話の途中で判明するが、バケネズミたちもミノシロモドキ経由で、人類の知的財産に触れる。その知恵をもとに、自分たちのコロニーを発展させた。集団体制においても、民主主義や独裁を彷彿させる動きも見られ、ますます人間の習性に似通う。ところが、ある日、バケネズミは主人公たちの村、すなわち人間を襲撃した。有事に備えて、一定の訓練を受けたものの、その成果はいまいちであった。さらに恐ろしいことに、バケネズミたちには最終兵器というべき駒を持っていた。これによって、村はバケネズミにあっけなく蹂躙され、最後の頼み綱も葬られた。絶望的な状況下で、早季は両親の遺言をもらう。そこで、バケネズミに対抗できる唯一の武器を入手するために、東京へ向かう。連れの何人かは敵の襲撃で亡くなるが、無事に手に入れる。しかし、早季は使用をためらい、不発になる。そんな中、早季は敵の特質から、倒し方を編み出す。一か八かの賭けではあったが、作戦は成功して、戦争は終結した。とはいえ、終盤、スクィーラのある言葉に覚は違和感を抱き、その後バケネズミの染色体を精査して衝撃的な発言をする。それはバケネズミの正体が元人間であったと。

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2023年12月13日

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後半のスピード感やハラハラ感、そして謎がとけていく感じがおもしろかった。上中下通してこんなに長いと主人公と幼少期から一緒に過ごしている感じがして、バケネズミが自分にとっても近い存在になってくる。そう思うと、最後は切ないし、考えさせられた。漢字や日常では使わないような日本語もたくさん使ってあって、日本文学としても私は好き。

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2024年03月30日

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感想
下巻はスピード展開。町がバケネズミと悪鬼によって次々と滅ぼされていく。

呪力という特殊な力が、人間社会のパワーバランスに不均衡をもたらし、自分たちが蒔いた種で滅亡の危機の瀕する。まさに人類の将来を示しているかのような話。

色々考えさせられました。

あらすじ
中巻から14年が経ち、早紀は働き始めた。バケネズミの2大コロニー同士で戦争が開始され、勝つと思われていたコロニーが塩屋虻コロニーに大敗する。

塩屋虻コロニーを仕切っていたのはかつてのスクィーラこと、野狐丸だった。塩屋虻コロニーの暴走を止めるため、討伐に向かうが、逆に夏祭りを奇襲されて、町は混乱に陥る。

野狐丸の作戦と悪鬼の影響により、多くの者が命を落とす。強い呪力を持つ日野光風や朝比奈富子、鏑木肆星が命を落とす。

その後、悪鬼を倒すために、早紀たちは荒廃した東京に古代兵器を探しに行く。幾多の危険に見舞われながら、早紀は古代兵器を見つけ、悪鬼を倒そうとする。早紀は悪鬼が、自分をバケネズミだと思っていることに気づき、壊死機構を利用してバケネズミを倒す。

その後、町を再興する過程で、バケネズミが人間の変異種であることに気づく。早紀は同種による殺し合いは繰り返してはいけないとこの手記を残すことにしたのだった。

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2024年02月17日

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ネタバレ

バケネズミはやっぱり人間だった。特殊な力は持たなくとも、先読み先読みの頭脳で追い詰めていくところは圧巻。悪鬼の性質を逆手にとった早季の作戦はなるほど!と。あまりに壮大で感想なんて書ききれないけど、この世界を忘れることはないだろう。

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2024年02月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

悪の教典は既読なので、タヒ多めなのは分かってましたが…最終巻で一気に!現実感があまりないからか、読後はダメージはそれほど深くないけど人間ってやだねと思っちゃうな…
最後の最後まで、瞬が大事に思われててそれが救いでした。

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2024年01月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

壮大な世界観だけど、生物など想像するのに苦労した(疲れた)のも正直なところ。
町が子ども達に何かを隠してる得体の知れない雰囲気が良くて、途中バケネズミとの戦いになり、どうしてこうなった?と少々不満だったが、最終的には納得したかな。
もう少しページ減らせるんじゃない?とも思ったが、没入感出すためにはこれぐらい要るんですかね。。

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2024年02月03日

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