【感想・ネタバレ】復讐の女神のレビュー

あらすじ

マープルは、かつてともに事件を解決した富豪の死を知る。その一週間後、「ある犯罪調査をしてほしい」と富豪が記した手紙が届く。だが、具体的な犯罪の内容については何も書かれていなかった。マープルは手紙の指示通り旅に出るが、そこには様々な思惑をもつ人々が待ちかまえていた。『カリブ海の秘密』の続篇。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ラフィール氏の死亡記事を読んだ数日後にラフィール氏からの依頼がミス・マープルの元へ。事件の内容も何も分からないままにラフィール氏に指定された観光バスツアーに参加するミス・マープル。同じツアーに参加するミス・ベンサムとミス・クックが本名ではないと気がつくミス・マープル。ツアーの参加者エリザベス・テンプルからラフィール氏の息子マイクルの恋人の話を聞かされる。「愛」で死んだ娘。ラフィール氏の依頼で館に招待してくれたグリン婦人。彼女の姉妹クロチルドとアリシア。マイクルの放蕩三昧の生活。少女を殺害し逮捕され収監されているマイクル。ツアー中落石で意識を失うエリザベス・テンプル。ラフィール氏に依頼され接触してきたワンステッド教授。マイクルの恋人の死。首を絞められ顔を潰された遺体。その他にも連続していた少女の殺害事件。ミス・マープルを呼ぶエリザベス・テンプルの口から語られたマイクルの恋人ヴェリティの名前。同じ村で行方不明になった素行の悪い少女ベラ。エリザベス・テンプルの死。ブラバゾン副司教が語るマイクルの本当の愛。アリシアが慈善団体に送った荷物。三姉妹の館に泊まったミス・マープルの仕掛けた罠。ミス・マープルのもうひとつの名前「ネメシス」

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2015年05月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今回マープルにバスツアーの依頼が!依頼人は富豪(故人)ラフィール氏(カリブ海の秘密に出てきたおじいちゃん)。マープルに何をしてほしいのかが全く解らない。バスツアー中に出てくる、ワンステッド教授、テンプル(元校長)、3姉妹、怪しい2人。バスツアー中に色んなヒントが。。。ラフィールの息子が女殺しで逮捕されている。もう1人の女性が行方不明。さらに事件が!テンプルが登山中に落石で瀕死の状態。マープルに遺言(女殺しの理由は愛だ!)を残す。犯人は外れたが、今回もドキドキの展開でした。マープルシリーズあと1冊で制覇だ!

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2024年11月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今まで読んだマープルシリーズは、どちらかというとマープル以外の登場人物によって調査が進められていたものが多かったので、今回のようにマープルの場面がほとんどの作品は私には珍しく、いつもと違った雰囲気を味わうことができた。
前作『カリブ海の秘密』でも印象的だったピンクのフワフワ、あの作品の中でこの場面だけが、話の要点は忘れても記憶に刻まれていた。今作でラフィール氏があのフワフワに言及した瞬間に前作と繋がり、しかも「ネメシス」という暗い響きとギャップが大きいこともあり、強烈な印象を残した。
事件の真相を、人や家から漂う「暗さ」から嗅ぎとる独自の捜査方法が面白かった。

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2022年02月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

マクワーイン版のドラマを先に見たので、内容が全然違って驚いた。小説はヒクソン版とも違ってヒントがないせいか導入が長くて読むのやめそうになった。
犯人の動機がなかなかだが、こちらは原作にある程度忠実なヒクソン版が良い。愛の種類が違うんだよなあ。
しかし、ネメシスの洞察力には感服。クリスティのお気に入りだけある。こちらもポアロとのある意味愛情の違いか。ヒクソン版は読後に見たが、ドラマはエンタメならマクワーインで原作よりならヒクソンか。どちらも好きだ。

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2025年07月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自宅で新聞を読んでいたマープルは、死亡欄にかつてカリブ海の島でともに事件を解決した「ラフィール」の名を見つける。
そこからマープルは、生前に残されたラフィールの指示に従い行動をしていくが、その目的は不明のまま。指示通りバス旅行に参加し、指示通りその道中にある三姉妹が住む邸宅に滞在することになる。どうやらラフィールの目的が、ラフィールの息子マイクルがかつて犯した殺人事件に関係しているということが分かってくる。
そのような中で、バス旅行の参加者の一人ミス・テンプルが落石事故により死亡する。
マイクルが殺したと思われていた少女を殺したのは誰なのか、ミス・テンプルは本当に事故死なのか。
悪を憎み、自らを「復讐者」と位置付けて詰めに詰めまくるマープルがいつになくアグレッシブでかっこいい。愛とは本当に恐ろしいもの。
登場人物がかなり多いのが難点。
クリスティ作品の中でも珍しい連作なので、『カリブ海の秘密』を先に読むことを推奨。

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2024年04月25日

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ネタバレ

なんとな〜く犯人は分かり、動機も薄々勘づいた。「事件そのもの」が見えるまでが長く、そこまではほぼマープルの旅行記になっている。だがそこも好き。
ネメシスの合言葉や、2万ポンドの行方など、三部作の完結編も是非読みたいところだったが、残念ながら次作は書かれなかった。ほんとに残念。
残すはスリーピング・マーダーのみ。

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2024年02月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

クリスティ作品の登場人物で格別に印象深いラフィール氏、死後もなお大勢の人を振り回すのが彼らしく、懐かしくさえ感じる。前作の颯爽とした別れの挨拶の場面で既に計画が浮かんでいたのかな。終盤の守護天使は痛快だったが、ミス・テンプルも守ってあげて欲しかった…
何が謎なのか探ることから始まる冒頭から、庭園ツアー参加者のアイデンティティ偽装も昔の作品よりひねりがあって面白い(怪しく見えて実は皆味方)。
ただ核心となる事件が不自然で残念。自分勝手な偏執を愛と言ってしまう少女漫画的混同はいただけないし、女性犯人の動機として無理がある(女性ならライバルを襲っても当人に危害を加える事は無いのでは)。「書斎の死体」、火曜クラブの「舗道の血痕」「毒草」のモチーフが再登場で、その点毒草の犯人は自然。ポリゴナムの描写とノラの失踪で何が起きたかはピンときた。
Nemesis は、かなわない、手強い人=ミス・マープルであって彼女の正義の嗅覚が主題だけどタイトルには「復讐の女神」が劇的で収まりが良いかな。
冤罪が晴れる話についてはアガサは感慨薄めにするのが好きみたい?2万ポンドを当座口座に入れてパッと使うと言う思い切りよさがまさにミス・マープル。このさっぱりしたラストがシリーズの幕引きにふさわしい。その意味でも、アガサ・クリスティ解説本の巻末で、三部作説は海外文献に見当たらず、3冊目のタイトルとされているWoman’s Realmが、本作が掲載された雑誌名と一致しているらしい(どこかで混乱が生じた?)という話がミステリ的。

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2021年09月18日

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