【感想・ネタバレ】知性の罠 なぜインテリが愚行を犯すのかのレビュー

あらすじ

IQが高い人、有名大学を卒業している人、ナレッジワーカーの中にも、愚かな誤りを犯す人がたくさんいます。優秀で高い教育を受けた人ほど陥る「知性の罠」とは……。

◇IQが高いほど、投資の判断力が低く、破産しやすい
◇脳の仕組みからわかる「超有名大卒の人が、自己弁護ばかりする理由」
◇高い教育を受けた人ほど、陰謀論にハマって抜け出せない
◇野球では成功するスター軍団方式。企業がマネすると失敗する
◇大学進学試験の点数が高いのに、合理的に考えられない人が多数いる

心理学や認知科学の研究から「本当の知性」とは何かを解説。
どういう姿勢で考えて、どういう角度から学べば真に賢く生きられるのか、その秘訣をご紹介します。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

<目次>
第1部  知能の落とし穴~高IQ、教育、専門知識がバカを増幅する
第2部  賢いあなたがきをつけるべきこと
第3部  実りある学習法~「根拠に基づく知恵」が記憶の質を高める
第4部  知性ある組織の作り方

<内容>
昔から言われてきたことだが、賢いヤツほど実はバカ。世界の例がたくさん載っているが、日本でも「オウム真理教」などが最たる例だろう。第2部でそうならないための知恵が、またかゆいところに手が届くように、第4部では個人ではなく、組織になるとバカになる例が載っていて、それへの対処法(こちらが一番難しいかもしれないが)が載っている。頭の良さだけではなく、組織内の人間関係が影響されるからだ。こちらは特に日本がヤバいかも。東日本大震災の際の東京電力などがそうだろう。いつになってもなくならないこうした話。世界どこでもあることだとわかった。

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1. 「知性」は必ずしも賢明な判断に結びつかない

・高いIQ、教育、専門知識を持つ人が、逆に誤った判断や愚かな決断をすることがある。

・実際に、IQ190以上の天才でも平凡な人生を歩んだり、専門家が陰謀論や非科学的な信念に陥ったりする事例が紹介されている。

2. 主な認知バイアス:「動機づけられた推論(マイサイド・バイアス)」

・知識や知性がある人ほど、自分の信念を正当化するために知能を使いがちで、都合の良い情報だけを選び取る傾向がある。

・専門家には「獲得されたドグマ主義」(acquired dogmatism)や「知識の呪い」が存在し、自分の専門分野以外を過小評価したり、新しい視点を受け入れにくくなることがある。

3. 愚行を避けるための処方箋

・知的謙虚さと思い込みに対する自覚:「自らの知識の限界と不確実さを認識する」姿勢が重要。

・自己の距離化(視点の転換)により、一歩引いた見方を持つことで判断ミスを防ぐ。

・感情の自己認識を高め、感情に判断を支配されないようにすることが大切。

・また、外国語で考えることで論理的思考力が向上し、情緒が介在しづらくなるという工夫も紹介されている。

4. 賢明な思考を育てる学習法(第3部に詳しい)

・「努力に勝る天才なし」という考えのもと、記憶の定着や理解度向上のために「望ましい困難(desirable difficulties)」を取り入れた学習戦略を推奨。

・具体的な方法としては以下のようなものが紹介されている:
-学習を分散して行う
-難易度の高い教材を使い、複数の解き方を考える
-自習後に自分にテストを行う
-同じ場所で学ばない、内容を他者に説明する、複数分野を交えて学ぶ、間違いの原因を分析する など。

5. 知性ある組織の成立(第4部で展開)

・頭の良い人ばかりを集めたチームが必ずしも生産性が高いとは限らず、「天才チームは生産性が低下する」ケースも存在する。

・組織が陥る「機能的愚鈍(functional stupidity)」の問題も論じられており、組織全体で偏った思考に陥ると、衰退や失敗を招く可能性がある。

まとめ:本書の主張を簡潔に言うと…
「単に頭が良いだけでは十分ではない。真の知性とは、自己のバイアスや感情に気づき、謙虚に思考し、他者や異なる視点を積極的に取り入れて学ぶ姿勢にこそ宿る。」

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2025年08月11日

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