【感想・ネタバレ】破戒(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

明治後期、部落出身の教員瀬川丑松は父親から身分を隠せと堅く戒められていたにもかかわらず、同じ宿命を持つ解放運動家、猪子蓮太郎の壮烈な死に心を動かされ、ついに父の戒めを破ってしまう。その結果偽善にみちた社会は丑松を追放し、彼はテキサスをさして旅立つ。激しい正義感をもって社会問題に対処し、目ざめたものの内面的相剋を描いて近代日本文学の頂点をなす傑作である。[付・北小路健「『破戒』と差別問題」](解説・平野謙)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

森達也氏の「いのちの食べかた」で知り、読んでみたいと思い3年ほど過ぎていた。「破戒」は差別的用語を他の言葉に言い換えた改訂版が出版された過去がある。
 
 「『破戒』初版本はそれがなまの形でなされる限り、差別を温存させ、挑発しようとする日本のマス・コミュニケーションに一つの大きな援助をさしのべることになる」

この一文に現代のマスコミを取り巻く諸問題を思い出し、歴史を繰り返しているのだと実感を持った。

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2025年03月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

丑松が自分の出自を告白した後の展開が気になって読んでみました。
まさか宿屋から放逐された大日向が最後に丑松に絡んでくるとは思っていなかった。
最後の展開も、身分に関わらず慕ってくれる丑松の生徒やお志保、身分が穢多であれ友達思いの銀之助たちのお陰で、丑松が報われていて良かった。

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2024年08月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

丑松の苦悩と葛藤が伝わり今まで読んだ本の中で1番、一度本を読む手を止めて考えたり、悩んだりする時間が多かった。
丑松が生徒や銀之助に自分の身分を打ち明ける場面は彼の覚悟が伝わりとても心に響いた。
最後はうまい事いきすぎている気もするけど、個人的にはそれくらい報われてもいい程丑松は思い悩んで苦しんできたので、丑松良かったね!!って感じでした。
日本の歴史をまた差別について知る上でも、人生で一度は読むべき一冊だと思う。

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2024年07月17日

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