あらすじ
経済学が資本主義を「飼い慣らす」ことを試みた二百年間は、ムダだったのではないか? 金儲けという「狂気」が、人々を熾烈な競争に駆り立て、人間が生きるために貴重な多くのものを破壊した――結局、そんな「無理」の上にしか存在しえない「豊かさ」を、経済学は模索してきたのか? 経済学者としての自省をこめて、アダム・スミス、マルクス、ケインズという三巨人の思想を再検証する著者が、深く「豊かさ」の意味を問う、社会哲学の書。
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
経済学が資本主義を「飼い慣らす」ことを試みた二百年間は、ムダだったのではないか?
金儲けという「狂気」が、我々を熾烈な競争に駆りたて、人間が生きるために貴重な多くのものを破壊する―結局、そんな「無理」の上にしか存在しえない「豊かさ」を、経済学は模索してきたのか?
経済学者としての自省をこめて、アダム・スミス、マルクス、ケインズという三巨人の思想を再検証する著者が、前著『日本の反省』に続いて、さらに深く「豊かさ」の意味を問う、社会哲学の書。
[ 目次 ]
序章 愚かな過ち
第1章 経済成長の幻想
第2章 「豊かさ」の正体
第3章 「見えざる手」の神話―アダム・スミスの命題
第4章 資本主義の「狂気」―カール・マルクスの命題
第5章 「福祉国家」の栄光と悲惨―ケインズの命題
第6章 経済学を超えて
終章 人間とは何か
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
アダム・スミス以降、経済学が証明した事は、「資本主義は代替の効かない優れた仕組みだが、完璧ではない」という事だけである。マル経もケインズ主義も、人の本性(=カネ儲け主義)の前では機能せず、結局資本主義だけが生き残ったのである。但し、日本のように既に「豊かさ」を得た国は、今後、「カネ儲け以外に価値を求める」と考えられ、そうなった時、果たして資本主義は機能するのか。そこに資本主義(=現在の経済学)の限界があるのではないか、と筆者は問う。
Posted by ブクログ
PHP研究所にしては少数派の価値観が記されています。
個人的には評価出来る一冊だと考えています。
マルクスの新しい評価や、現代社会の抱える問題点を丁寧に整理して説明されています。