【感想・ネタバレ】孔雀と雀 アラブに消えゆくスパイのレビュー

あらすじ

エドガー賞最優秀新人賞ほか7冠の傑作スパイ小説
CIA職員シェーンの最後の任務は中東バーレーンの反政府運動を探ること。だが、爆破テロが国王の自作自演である疑惑が浮上し……

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Posted by ブクログ

ネタバレ

バーレーンを舞台としたあまりにリアルなスパイ小説。
ドキュメンタリーだとかえってこのリアルさが描けないと思う。中東での数多の謀略に関わる人々を集約した形でみせてくれている。
カンボジアからバーレーンに戻る旅程がスリリング。
スパイ小説好きは必読。そうでない人には地味かも。

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2025年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2025年の14冊目は、I.S.ベリーの「孔雀と雀 アラブに消えゆくスパイ」です。舞台は、中東バーレーンです。チュニジアのジャスミン革命に端を発したアラブの春の流れから、2011年にバーレーンで起きた「バーレーン騒乱」がモデルとはなっていますが、現実とは違う結末が用意されています。そして、その事こそがこの本に凄さを与える要因となっています。又、舞台がほぼ現在で有りながらも、古き良きスパイ小説の香りがする事もこの本の特徴ではないでしょうか。
主人公は、バーレーン・マナーマのCIA中東分析局に勤務するシェーン・コリンズ、52才です。俗に言うスパイですが、残りの支局員人生を大過無く過し、年金生活に入る事を望んでいます。しかし、激動の渦に巻き込まれて行く事になります。スンナ派対シーア派、その後ろ盾としてのサウジアラビアとイランの対立構図等、アラブ世界の情勢とアメリカの立ち位置の理解等、難解な局面が有るかもしれません。かなりのボリュームですし、終盤までは、盛り上がりもに欠けると思ってしまいますが、何事にも疑心暗鬼になってしまうスパイの生態には興味深い物が有りますし、カンボジアへ到着してからバーレーンに戻るまでの行程が、いかにもスパイ小説らしい雰囲気で好きです。
終盤まで盛り上がりに欠けると言いましたが、この本の凄さは、残り50ページを切ってからです。そこからは、本当に凄い。散りばめられていた伏線を回収して行きます。この作者は、只者では有りません。各新人賞を総ナメと言うのも頷けます。
☆4.8

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2025年04月06日

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