【感想・ネタバレ】救われてんじゃねえよのレビュー

あらすじ

主人公の沙智は、難病の母を介護しながら高校に通う17歳。母の排泄介助をしていると言ったら、担任の先生におおげさなくらい同情された。「わたしは不幸自慢スカウターで言えば結構戦闘力高めなんだと思う」。そんな彼女を生かしたのは、くだらない奇跡だった。選考委員が大絶賛した「R-18文学賞」大賞受賞作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

全くの他人事ではない。読んでいてもどかしくて、イライラして、胸糞という言葉がピッタリ。病気や介護、更には親の教養のなさによって、子どもが縛られることに、胸が締め付けられそうになる。それでも、さちが自分で自分の道を生きていく方向に向かっていくことが救い。熱中して読みました。

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2025年11月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

衝動買い。「警報級の大型新人」ということで、お手並み拝見と読ませてもらいました。母親を介護する主人公の学生〜社会人なりたての間の3つの短編。家族に対して若者特有の鬱陶しがりがあったり逆に愛しく思ったり、主人公の日常生活の中で感情が揺れまくる。就職しても介護で忍耐力がついてて、同期が辞めても頑張ってふつうの若者なら辛い仕事も耐えられちゃう。
面白かったのは、主人公の親がどうしようもない毒親なんだけれど、主人公がそれを「私は悲劇のヒロイン」とせず、そんな親を認めてお世話しまくり。就職してからは、主人公も親離れができて『この娘は今後、自分の人生をたくましく生きるんだ』と読者を安心させてくれます。この作家の文章が好きなので、別の本「ほくほくおいも党」も読んでみようかな。

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2025年08月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ヤングケアラー
高校、大学、社会人の女の子が
自立できない母を 介護?甘えてくるのを
戸惑う
周りは、制度やら理解を示す風だけど
今晩の母のおしっこを拭くことはしない

読んでてげんなりしてくるけど
確かに身近にある話

テーマは重いのに
「そんなの関係ねー」で笑いながら
どこか軽快に進んでいく

救われない女の子の話

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

宇佐見りんさんの「かか」を思い出しました。
ヤングケアラーって成人するともうそう呼ばないんですかね?本書で大学生になった主人公が「もうヤングケアラーじゃないんで」のようなことを言っていて「え、そうなの?」と不勉強な自分はそんなところに引っかかり。自分から見ると20代だって十分ヤングですし、こんな親の人生背負うには重すぎる年頃と思えるんですが。
まぁそれはさておき。

この親はひどい。けどこんな親たくさんいるんだろうな。けど捨ててしまえないというのも親だから、家族だから、というのも分かる。
そして何故だか一生懸命ケアしてしまう助けに行ってしまうのも家族だから。そういう絡め取られるような関係性から逃れられない痛みと苦しみは経験していない人には理解できるのだろうか。

話をしたら楽になる、というのはよく言われることで実際話して楽になることもあるけど、本書の主人公のいうように話したところで何も変わらないし解決もしない、ということの方がはるかに多いというのも真実だと思った。
そして、本当に辛い時思いもかけないところから降ってくる笑いに救われることというのも確かにあるとも。
それをこのような物語で表現しようとした人が20代と言うことに最初衝撃を受けました。でも逆に若いからこのように真っ直ぐに表現できるのかもしれない。感性ですね。

全然違う話を読んでみたい。どんな表現をされるのかこれから楽しみな作家さんです。

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2025年06月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初の受賞作は刺激的で救いがなくて、でも後の二作は主人公が親と距離を取り結末も明るくなる。読後感はいいけど、物語で救われちゃってるよなぁ、とも思う。脳梗塞にまでなったお母さんがどうやってやってけてるのかあまりに書かれていない。

救われてんじゃねえよ
難病の母と高二でヤングケアラーの私、母の障害年金を散財する父。貧乏で、同じ部屋で両親はセックスをする。
母の薬が効き始めてでもしんどいアピールする今の方がしんどいと言うわたし、脳腫瘍になって私のせいじゃないと喜ぶ母、人という字になれない母娘、あたりがしんどいしよい。
文章は大衆小説向きで上手いわけではなかった。

泣いてんじゃねえよ
東京の大学4年でインターンで帰ってくる。頼られる自分を嬉しく思ってしまう葛藤。就活を邪魔する母。ヤングケアラーって言葉がない時代だったから、名乗ることに罪悪感。ヤングケアラーをポジ転した番組ができない今。最後、私が家を出て両親に任せる決断をしてよかった。
最初の経緯説明とかは淡々と上手く書いてるわけじゃない。実家からリモート面接受けるのは母の邪魔を受けるのが見え見えで展開に集中できず。

縋ってんじゃねえよ
テレビ制作会社に入ってから振り返る、中学時代父に庇われた話と誕生日を祝われた話。
親に愛されたら、子は親を救わなきゃいけないんですか?

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2025年09月12日

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